ロシアで拘束の米女子バスケ選手、「死の商人」との身柄交換で解放

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ロシアで拘束の米女子バスケ選手、「死の商人」との身柄交換で解放

ロシアで拘束の米女子バスケ選手、「死の商人」との身柄交換で解放

グライナー氏は、ロシアで麻薬所持と密輸の疑いで禁錮9年を言い渡されていた。ブート氏は、違法な武器取引で禁錮25年の実刑判決を受け、服役12年目だった。

ジョー・バイデン米大統領はホワイトハウスでの会見で、グライナー氏は安全で、アラブ首長国連邦(UAE)経由でアメリカに戻ったと述べた。

「うれしいことに、ブリトニーは元気だ(中略)回復するための時間と場所が必要だ」

一方でロシアメディアは、「死の商人」として知られるブート氏がモスクワに到着したと報じた。到着後にブート氏は、「夜中に起こされて、『荷物をまとめろ』と言われただけだった」と記者団に語った。

グライナー氏は今年2月、大麻成分の入ったオイルを持っていたとして、モスクワの空港で逮捕された。11月にはモルドヴァの刑務所に移送された。

バイデン政権は、ロシア政府が長らくブート氏の釈放を望んでいたことを踏まえ、7月に受刑者の交換を提案した。

2人はプライベートジェットでアブダビ空港に移動し、身柄の交換が行われた。

サウジアラビアとUAEは共同声明で、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とUAEのムハンマド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン大統領が仲介役を担ったと発表。サルマン皇太子はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と良好な関係にあり、9月にもロシアとウクライナ間の数百人単位の捕虜交換に協力している。

しかし、アメリカ政府は仲介役の存在を否定している。カリーン・ジャン=ピエール報道官は、「この合意の交渉をしたのはアメリカとロシアだけだ」と述べた。

グライナー氏は、アメリカでもっとも有名な女性スポーツ選手の1人。女子プロバスケットリーグWNBAではフィーニックス・マーキュリーに所属し、オリンピック代表チームで2回の優勝を経験している。

ロシアには、オフシーズン中にプレーするために向かっていた。裁判では、大麻成分を含むオイルは「うっかりミス」で荷物に入れたと証言した。

アントニー・ブリンケン国務長官は、交渉の功績者としてロジャー・カーステンス大統領特使の名前を挙げた。

会見に参加したグライナー氏の妻シェレルさんは、バイデン政権の努力を称え、「ただひたすら感情がこみあげてくる状態で、ここに立っている」と語った。

対するブート氏は長年、軍閥やならず者国家に武器を売り、世界で最も指名手配されている人物の1人だった。

ソ連崩壊後に何年も武器取引を行っていたことから「死の商人」として知られ、2005年にはその半生をモチーフとしたハリウッド映画「ロード・オブ・ウォー」が公開された。

アメリカの巧妙なおとり捜査によって2008年にタイの首都バンコクのホテルで逮捕されたが、これがロシア政府の怒りを買った。

ブート氏の身柄は2年後にアメリカに引き渡され、テロリスト支援やアメリカ人の殺害での共謀罪で有罪となった。

妻のアラさんは、2日前にブート氏と話したばかりだと、ロシアのテレビ局に話した。

「今夜も電話をくれるはずだった。でも今、私たちはお互いに会って、抱き合うことができる。どんな電話よりも、そのほうがいい」

■元海兵隊員は交換に含まれず

アメリカとロシアは今年4月にも、暴行容疑でロシアで3年間服役していた海兵隊員トレヴァー・リード氏と、コカイン密輸でアメリカで服役していたパイロットのコンスタンティン・ヤロシェンコ氏の身柄を交換している。

グライナー氏の釈放交渉が始まった際、アメリカ側はさらに、元海兵隊員で2018年からスパイ容疑でロシアに拘束されているポール・ウィラン氏も交換に含めるよう求めていた。

しかし、ロシア側はこれに応じず、ウィラン氏の家族の希望はかなわなかった。

バイデン大統領は声明で、ロシアはウィラン氏の件を、完全に非合法的な理由でグライナー氏の件と分けていたと説明。「ポールの釈放には至っていないが、私たちは諦めていないし、諦めない」と述べた。

ウィラン氏はCNNの取材に対し、無罪である自分の解放に向けた努力がなかったことに「大きく失望している」、「どうして自分がまだここに座っているか分からない」と語った。

ロシアの流刑地から取材に応じたウィラン氏は、自分がスパイ容疑で告発されたことで、「トレヴァーやブリトニーよりも高いレベルに置かれている」と言われたと話した。

ウィラン氏の兄弟のデイヴィッドさんも、グライナー氏の釈放を祝した上で、政府からはウィラン氏が身柄交換に含まれていないと事前に知らされていたと語った。

デイヴィッドさんは声明で、「アメリカ政府がもっと積極的になる必要があるのは明らかだ。ロシアのような悪者が罪のないアメリカ人をつかまえようとするなら、アメリカはより迅速で直接的に対応すべきだ」と述べた。

ブート氏の弁護人を務めるアレクセイ・タラソフ氏はロシアのテレビ局の取材で、アメリカは最初からグライナー氏とウィラン氏2人の交換を望んでいたと話した。ロシアの外務省は、「アメリカが交渉参加を徹底的に拒否した」と非難している。

■アメリカ国民を危険にさらすとの批判も

ジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、今回の合意は交換ではなく、バイデン政権が降参したのだと批判した。

「世界中のテロリストやならず者国家は今回の件を参考にするし、これは今後、別のアメリカ人を危険にさらすことになる」

米麻薬取締局の元捜査官で、ブート氏逮捕にも関わったロバート・ザハリアシェヴィッツ氏も身柄交換を非難。BBCの「ワールド・トゥナイト」の取材で、「今日の件は、世界中を旅するすべてのアメリカ市民の背中に的を置いただけだ。彼らはただの取引材料になってしまった」と述べた

「アメリカ市民を誘拐しないまでも、不法に拘束するのは本当に良いビジネスだと、いつか取引に必要になるかもしれないから、誰か1人押さえておくのは良いことだと、そういうメッセージを発しただけだと思う」

元ロシア国会議員で、ブート氏に関する議会調査を主導したウラジーミル・オセチキン氏は、BBCの「アウトサイド・ソース」に出演し、プーチン大統領がブート氏の帰還を求めていたのは、ブート氏が知っている情報が理由だと話した。オセチキン氏は現在、フランスでロシアの反体制派運動を行っている。

「プーチン氏と軍幹部は、ロシアの情報機関がテロ組織を支援し、海外で破壊工作を画策していることについて、ブート氏が詳細かつ一貫した証拠を(アメリカに)提供し始めるかもしれないと懸念していた」

「自国の工作員を取り戻すことは、彼らにとっては名誉にかかわる問題だ」

バイデン大統領は、アメリカ国民に海外渡航前の注意を促し、外国政府によって不当に拘束される危険性を警告している。

(英語記事 Russia swaps basketball star for ‘Merchant of Death’)

(c) BBC News

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