ウェルネスとーく
片岡安祐美さん(37)は、社会人硬式野球クラブチーム「茨城ゴールデンゴールズ」の監督も務める、日本を代表する女性野球選手です。監督として全日本クラブ野球選手権優勝などの実績を上げ、私生活では2017年に結婚、22年に長男を授かりましたが、2度の流産も経験しています。女性アスリートの妊娠・出産について思うことなどを伺いました。(聞き手・藤田勝)
現場と子育て
現場に連れて行くことも多い
片岡さんの仕事場には1歳5か月の息子さんもよく一緒に来ているそうですが、「現場によってですね。本当にみなさんのご理解ありきで、ご迷惑をおかけしています」とのことです。仕事をする中で、子育ての喜びや楽しさを感じる瞬間もあるそうです。「元気に育ってくれるのが一番ですが、単に息子の笑い声を聞くだけでもつられて笑ってしまいます。それだけで楽しくなるし、朝起きたときにニカーッって笑ってこっちを見てくれた時とか、本当に一瞬一瞬に感じることは多々あります。もちろん、まず命を守るということを大前提に、ダメなものはダメって教えていかなきゃいけない、という難しさはあります。でも今のところ、比較的、楽しんで子育てがやれているかなと思います」と話しています。
寝付きも良く、リセットの時間も大切に
寝かしつけも比較的スムーズで、添い寝すれば30分以内、早いと10分ぐらいで息子さんが寝てくれるそうです。「その後、一人になった時間にビールをちょっと飲んだりしてリセットするという日々の繰り返しが、私の中ではうまくできているかなと思います」と笑顔で話してくれました。
離乳食の工夫
離乳食作りだけはメチャクチャ頑張った
片岡さんは、離乳食作りには力を入れて取り組んできたそうです。「自分で言うのもなんですけど、離乳食作りはめちゃくちゃ頑張りました。もちろん仕事の時や、ちょっと預けないといけない時はベビーフードにも頼りましたが、それ以外は作っていました。理科の実験みたいで楽しかったです。今ようやく離乳食も終わって、味さえ薄くすれば大人と同じものをだいたい食べてくれるので、前ほどは作らなくなりましたけど、以前はメッチャ作っていました。インスタ見てください(笑)」
食べる楽しさを伝えたい
食事の大切さを育んできた片岡さんは、自身も食べることが好きで、主人もよく食べる方です。また、片岡さんの実家では一人で食べることをさせず、食事時には必ず誰かと一緒に食べるようにしていたそうです。「母親がきっちりしゃべりながら食べる、私が一人で黙々と食べるということをさせなかった。それってたぶん、すごくありがたいことだったと思います。だから息子にも、食に興味を持って食べる楽しさを知ってほしくて、生後3、4か月ぐらいから、息子の目の前で「おいしい、おいしい」って言いながら食べていました。まだ息子は食べられず見ているだけなので、みんなには「意地悪しないの」って言われましたけど、そんなことをずっとやっていたら、本当に離乳食を食べないことがなく、苦労もなかったです。今のところ、息子は食べることが大好きで、夫もそれだけは「すごい。ありがとう」って褒めてくれました」
大きな体に成長
息子さんは同じ月齢の子たちと比べても大きい方だそうです。「縦も横も大きくて、よく「2歳ぐらいですか」と言われるので、「いや、まだ1歳半になってないです」と説明することが多いです」と笑顔で話してくれました。
このように、片岡安祐美さんはアスリートとしてだけでなく、子育てでも精力的に取り組んでいる姿勢がうかがえます。