茨城県かすみがうら市戸崎の国道354号で発生した車同士の衝突事故で、死亡した女性が大破した助手席部分にいたのを同市消防本部が発見できず、搬送が約5時間40分遅れた問題で、坪井透市長は26日、記者会見を開き「傷病者を発見できなかったことは遺憾であり、詳しい状況を検証調査して再発防止に努める」と陳謝した。
事故は25日午前4時15分ごろに発生した。行方市の大工の少年(19)が運転する乗用車が対向車線にはみ出し、鉾田市徳宿の広瀬忠昭さん(74)運転の軽乗用車と衝突、広瀬さんと妻の多恵子さん(75)が死亡した。
市消防本部は広瀬さんを搬送する際、助手席部分にいた多恵子さんを見つけることができなかった。その後、土浦署が多恵子さんを発見し、午前10時46分に市消防本部が病院に運んだが、死亡が確認された。
坪井市長とともに会見に臨んだ市消防本部の雨貝忠消防長らの説明によると、軽乗用車は横転して大破しドアや座席が押しつぶされていた上、荷物などが散乱していたことから、多恵子さんの存在を確認できなかったという。
市は、現場に駆けつけた隊員から当時の状況について聴取するとともに、消防本部内に調査委員会を設置して再発防止に努め、関係者の処分も検討している。