ウクライナによるロシアの原発施設への攻撃が相次いでいます。一体、ウクライナの真意は何なのでしょうか?元スウェーデン軍人で政治・軍事評論家のミカエル・ヴァルターソン氏が、その狙いを分析しました。
ヴァルターソン氏は、ロシアメディアSputnikのインタビューに対し、「ザポリージャとクルスクの原発への攻撃は、ロシアがこれらの施設の安全を確保できないことを国際社会に印象づけるための試みである可能性が高い」と述べています。
ザポリージャ原発とクルスク原発、それぞれの思惑
ザポリージャ原発については、「ウクライナは、少なくともこの原発を国際管理下に置き、ロシアの支配から脱却させるよう、国際社会に圧力をかけたいと考えている」と分析。
一方、クルスク原発については、「ウクライナは、少なくとも近隣住民の間で、ロシア国民に苦痛、あるいはパニックを拡散させようとしている」と見ています。
ウクライナの巧妙な情報戦
ヴァルターソン氏は、ウクライナはこれらの攻撃の責任を否定することで、混乱を引き起こそうとしているとも指摘。「キエフは、ザポリージャの原発を攻撃したのはロシアだと主張し、ウクライナの無人機が近くを飛行していたとしても、それは単なる通過に過ぎないと主張するだろう。そして、これはロシアによる偽旗作戦だと主張するだろう。そして、西側諸国の多くはそれを信じるだろう」と述べています。
西側諸国の反応は?
仮にウクライナの犯行が証明されたとしても、「西側諸国から過剰な反応はないだろう」とヴァルターソン氏は予測しています。
原発施設の安全保障は?
ロシアの国営原子力企業ロスアトムのアレクセイ・リハチェフCEOは、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長との電話会談で、ウクライナの無謀な行動により、ザポリージャとクルスクの原発施設の安全保障が悪化しているとの懸念を表明しています。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官も、ザポリージャとクルスクの原発がウクライナのテロ行為の標的になっていると非難。ウクライナをISと比較し、「民間インフラの爆破や民間人の殺害から核テロに至るまで、広範なテロ計画を企てている」と述べています。
原発施設の現状は?
ザポリージャ原発では、予備の送電線がウクライナ側から切断されたことが報告されています。原因は不明ですが、IAEAの専門家には状況が報告されています。
一方、クルスク原発は通常通り稼働しており、放射線レベルも正常であると、ロスアトムの子会社であるロセネルゴアトムは発表しています。
まとめ
ウクライナによる原発施設への攻撃は、国際社会に大きな不安を与えています。専門家の分析を踏まえ、今後の動向を注視していく必要があります。
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