吉本新喜劇の看板女優、島田珠代さん。明るい芸風で多くの人を笑顔にしてきた彼女ですが、その人生は波瀾万丈なものでした。初の著書『悲しみは笑い飛ばせ!島田珠代の幸福論』では、愛娘と10年間も離れて暮らさなければいけなかった壮絶な過去を赤裸々に綴っています。今回は、島田さんの知られざる苦悩と、それを乗り越えてきた母の愛について迫ります。
仕事一筋の人生に訪れた運命の出会い
17歳で吉本興業に入り、「色恋は芸の道の邪魔！」と仕事に打ち込んできた島田さん。26歳で一度目の結婚をするも、すれ違いが原因で離婚。しかし36歳の時、名古屋での仕事現場で運命の人と出会います。
「この人の子供が欲しい」。そう強く思った島田さんは、彼と再婚。38歳で待望の娘を授かります。
愛娘との幸せな日々…一転、夫に宣告された余命5年
幸せな家庭を築き始めた矢先、夫に大腸がんが見つかり、余命5年を宣告されます。
夫は手術を受け、抗がん剤治療を始めますが、その副作用は想像を絶するものだったと言います。穏やかだった性格は変わり、島田さんや家族に怒りをぶつけるように。
病魔と闘う夫への接し方に苦悩、そして後悔
島田さんは、当時の自身の行動を振り返り、涙ながらに語ります。
「夫の精神不安定はお薬の影響だと分かっていたのに…。もっと優しくしてあげればよかった。けれど、当時の私には余裕がなかったんです。」
愛娘との別れ…10年間の空白が生んだ心の傷
夫の死後、島田さんは女手一つで娘を育てようと決意します。しかし、周囲からは「母親が一人で子供を育てるのは難しい」との声が。悩んだ末、島田さんは泣く泣く娘を、経済的に余裕のあった実母に預けることを決断します。
「娘と離れて暮らす10年間は、本当に辛かった。でも、娘に会うたびに成長を感じ、その姿が私の生きる糧になりました。」
再会、そして…「あの時、泣いて謝ってくれた娘」
10年の時を経て、娘は島田さんの元へ。反抗期を迎えた娘との生活は決して楽ではありませんでしたが、島田さんは「娘がそばにいてくれるだけで幸せ」と語ります。
「ある日、娘が泣きながら『あの時、お母さんから離れてごめんなさい』と言ってくれたんです。その言葉に、私の心は救われました。」
島田さんは、自らの経験を通して、子育ての難しさ、そして家族の大切さを改めて実感したと言います。彼女の壮絶な人生経験は、多くの人の心を打ち、勇気を与えてくれるでしょう。
