近年人気が高まっている収納付きベッド。しかし、その利便性の裏に潜む危険性をご存知だろうか?
英国で、ある女性が収納付きベッドの故障により、命を落とすという痛ましい事故が発生した。今回は、この事故の詳細と、私たちが安全に収納付きベッドを使うために知っておくべきことを詳しく解説する。
収納ベッドの事故、その真相とは?
2024年6月、英国人女性のヘレン・デイビーさん(享年39歳)が、自宅の収納付きベッドで亡くなっているのが発見された。死因は窒息死。一体なぜ、このような悲劇が起こってしまったのか?
警察の調査によると、デイビーさんはガス圧式の跳ね上げ式収納ベッドを使用していた。このタイプのベッドは、ガス圧でベッドの土台を持ち上げることで、下に広々とした収納スペースを確保できるのが特徴だ。
デイビーさんは、この収納スペースに身を乗り出していた際に、ベッドのマットレス台が突然倒れてきた。その結果、デイビーさんの首はベッドフレームと土台の間に挟まれ、身動きが取れない状態に。そのまま窒息死してしまったと考えられている。
事故の原因は? 専門家が警鐘を鳴らす
事故の原因を調査した結果、ベッドに使用されていた二つのガスピストンのうち、一つに欠陥があったことが判明した。
この事故を受け、検視官は「対策を講じない限り、今後も同様の死亡事故が発生する恐れがある」と警告を発している。
収納付きベッドは、寝室を広く使える便利な家具として人気だが、その一方で、ガス圧機構の故障による事故のリスクも孕んでいることを忘れてはならない。
実際に、英国王立災害防止協会(RoSPA)の発表によると、2022年にはベッドからの転落事故で147人が、ベッドでの偶発的な窒息事故で18人が亡くなっているという。
収納付きベッドの例
収納ベッドを安全に使うために
収納付きベッドを安全に使うために、私たちができることは何だろうか?
まず、ベッドを購入する際には、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要だ。安価な製品の中には、安全基準を満たしていないものも出回っているため注意が必要である。
また、定期的にベッドの点検を行うことも大切だ。ガス圧機構に異常がないか、ボルトやナットが緩んでいないかなどを確認しよう。
さらに、収納スペースに物を出し入れする際は、必ずベッドのフレーム部分をしっかりと持つように心がけよう。
収納付きベッドは、上手に使えば大変便利な家具だが、使い方を誤ると重大な事故につながる可能性もある。今回の事故を教訓に、安全に配慮して使用していただきたい。