【団地のふたり】“子ども部屋おばさん”や“独身子なし”の「50代団地暮らし」に猛烈に惹かれてしまうワケーー小泉今日子と小林聡美が演じる主人公たちの“なんかいい暮らし”


 小泉今日子と小林聡美が団地に住む幼馴染を演じている『団地のふたり』(NHK BS)が日曜の夜の癒やしになっている。ふたりを見ていると団地生活への憧憬が湧き上がっていく。こんなふうに日々を過ごせたらいいのに。

【写真】きちんと「おばさん」に見える? 黒縁メガネ姿の小泉今日子

■昨今はやりの「団地再生現象」そのもの

 原作は藤野千夜による小説で、独身の50代、ノエチこと野枝(小泉今日子)となっちゃんこと奈津子(小林聡美)の日常がつづられる。ふたりは団地育ちで、社会人になったときいったん団地を出たものの、紆余曲折あって再び団地に戻って来た。

 イラストレーターであるなっちゃんの部屋はセンスよく整えられており、ダイニングテーブルといすやステンドガラスなどは真似したいインテリアで、ときにベランダをテラスのようにしてご飯を食べたり明かりを灯してお酒を飲んだり。

 このおしゃれな感じは昨今はやりの団地再生現象そのものではないか。

 外側は古いが、内装はきれいに。水回りや設備を新品に替え、和室もフローリングにして、現代人に住み心地をよくしたうえで、家賃も抑えめとあって若者や子育て世代に注目されている。一部屋すべて無印良品の家具でしつらえた物件などもある。

 『団地のふたり』の団地はまだ築古のままで、なっちゃんのキッチンには昭和を思わせる湯沸かし器が鎮座ましまし、居間も寝室も和室である。第7回でようやく建て替えの話が持ち上がってきたところ。

 いや、これまでも何度か建て替えの話が出たものの、住人全員の同意が得られないと実行できないでいた。これも昨今のマンションや団地の問題そのものである。



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