立憲民主党の野田佳彦代表が衆院選(27日投開票)で、持論の世襲批判を強めている。政見放送では、たたき上げで政治家になった自らの経歴を紹介しながら世襲を批判し、遊説でも言及してきた。ただ、党内には親の「地盤、看板、カバン」を引き継ぐ世襲政治家も少なくなく、主張との整合性が問われている。
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立民は自民党の派閥パーティー収入不記載事件を踏まえ、公約に資金面での世襲制限を盛り込んだ。資金面での公平性を期すとして、引退した国会議員の政治団体や政治資金の親族への引き継ぎを禁止する「政治資金世襲制限法案」を成立させると主張する。
その狙いについて、野田氏は政見放送で「数千万、億単位の政治資金を親から引き継ぐことができる国会議員の世襲を制限し、多様な人が政治家になれるようにしたい」と説明した。
ただ、衆院選では立民からも世襲候補が複数出馬している。与党への批判は強めつつ、身内については黙認するような姿勢はわかりにくいとの指摘がある。
主張の整合性について20日、野田氏は東京都内で記者団に問われると、「立民の候補者らは世襲制限法案に賛同しており、自民とは全然違う。全然、同じではない」と説明した。