LVMHの株価は厳しい収益報告を受けて3.7%下落し、ロレアルやエルメスなどの競合も下落した。
ディオールやルイ・ヴィトンの親会社であるLVMHは、中国における消費者需要の弱さを指摘した。
ウォール街のアナリストは、中国政府の対策は消費回復には不十分だと話している。
2024年10月16日、LVMHの厳しい収益報告と最重要顧客である中国の消費者需要の回復が難しいというウォール街の報告を受けて、LVMHの株価は下落した。
その日、LVMHの株価は3.7%下落し、競合のロレアル(L’Oréal)とエルメス(Hermès)もそれぞれ2.2%と1.3%下落した。
LVMHは売上の減少について報告し、中国の高級品セクターにおける需要の低迷について説明した。これは、世界第2位の経済大国の消費者に大きく依存して成長を遂げてきた高級品業界にとって、深刻な事態だ。
前日の10月15日の決算発表で、同社は2024年第3四半期の売上が前年比で3%減少したことを報告した。ファッションと皮革製品の売上が5%落ち、2020年第2四半期以来の低水準となった。同社の有名ブランドにはルイ・ヴィトン(Louis Vuitton )やクリスチャン・ディオール(Christian Dior)がある。
同社は、中国における需要の圧倒的な弱さについて指摘しており、日本を除くアジアの既存店舗の売上は16%減だった。
「中国を含め、我々のマーケットの大半は現在、経済的な課題に直面している」と、LVMHのジャン-ジャック・ギオニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者(CFO)は決算発表の中で述べ、「中国における消費者信頼感指数は、コロナ禍の低水準まで落ちている」と付け加えた。
だが、最近の減速にも関わらず、2024年上半期の中国での需要の状況は、高級品への持続的な欲望を示している可能性があるとギオニーは述べている。
しかし、景気の低迷に終わりは見えないようだ。同社の将来の見通しは漠然としており、ウォール街のアナリストは中国の最近の政策では弱まる需要を回復させることはできないと見ている。
シティグループのアナリストは、今月初旬の中国の大型連休中に高級ショッピングモールでの調査結果をまとめたメモの中で「最近のマクロ政策転換の後、高級品の消費に改善は見られない」と述べている。
9月末に発表された中国の景気刺激策は、弱まる消費者需要と苦戦する不動産業界を支えるのが目的だ。当初、エルメスやLVMHなどの高級ブランド株が上昇し、発表の週には両社とも15%以上も上昇した。
Kelly Cloonan