【大逆風の石破自民】衆院選、与党230なら“寝技”で政権維持か…政治資金問題で大差つき、すでに「救えない」人も


■ 政権の今後を占う3つの議席水準

 230、240、250――。衆院選(10月15日公示、27日投開票)の前半の情勢を踏まえ、キーワードとして語られ始めた数字だ。

【表】自公の獲得議席別・石破首相の政権運営シミュレーション。「230」なら“寝技”発動か…?

 報道各社が実施した電話やインターネットによる調査結果などによると、自民、公明両党を合わせて「与党で過半数(233)」の議席を獲得できるかどうかが焦点となっている。

 衆院の解散時勢力は自民256、公明32で計280議席を超す。しかし、石破政権発足直後となった今回の解散・総選挙は、自民党派閥による政治資金収支報告書の不記載問題(いわゆる裏金問題)の影響で、与党は「大逆風」にさらされている。

 「一から出直すつもりで臨む選挙」(石破茂首相)は、議席減をどこまで食い止めるかの勝負となった。よって与党で過半数を占めるかどうかが一般的な勝敗ラインと目されている。

 さて、冒頭の3つの数字は、衆院選での与党の獲得議席数を指す。それぞれが意味するのは、その議席数になったときの選挙後の「政権の安定度の違い」である。

 仮に「230」(例えば自民205、公明25)以下なら、与党で過半数を下回る。政権維持のため閣内、閣外を問わず、他党や無所属議員らの与党への取り込みなどを図ることが不可欠だ。

 もし与党の枠を広げられなければ、233の過半数を割り込んだままとなり、政権交代は否定できない。

 ある自民党ベテラン議員は「与党過半数割れはあり得るが、大崩れさえしなければ連立の拡大などで踏みとどまる」と、党の「お家芸」とも言える「寝技」で政権維持できると踏む。

 その場合も、限界ぎりぎりまでの政治資金透明化や政策活動費廃止など大胆な改革、迅速な実施は不可避となりそうだ。

 石破首相の責任論は出るが、不記載問題による非公認、比例重複立候補禁止といった「厳格措置」を受けて反発した旧安倍派議員らも、相当の議席が減りかねない。「石破おろし」の動きがあっても、来夏の参院選前まで持ち越す可能性がある。もっとも自公で100議席台などとなれば、政権交代の現実味は増す。

 これが「240」前後になると「自公で過半数」をクリアし、状況は一転する。

 この場合、自民党は215議席前後などが見込まれ、約40議席減ではあるものの、逆境下での選挙だったことを考慮すれば、石破政権は少なくとも当面は持ちこたえられる水準だ。



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