親欧米の与党が政権を握る旧ソ連構成国のモルドバで20日、欧州連合(EU)加盟の是非を問う国民投票が実施され、開票率99%超の時点で、僅差(きんさ)で賛成が過半数となる見通しとなった。ただ、大差で支持を得ての「脱ロシア」を目指したサンドゥ大統領や欧米には痛手になりかねず、地域での影響力維持を狙うロシアの攻勢が一段と強まる可能性もある。
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中央選挙管理委員会によると、開票率99・50%で賛成が50・42%、反対が49・58%。当初は反対が過半数だったが、欧米など在外の開票が進んで逆転した。
サンドゥ氏は21日の記者会見で、「モルドバ国民は、未来を決める最初の厳しい闘いに勝利した」と勝利宣言した。
また、同日未明の演説では、ロシアの選挙介入を念頭に、外国勢力と結託した犯罪集団が30万人の買収を企てたと主張。「前例のない規模の不正で、民主的手法の破壊が狙いだった」と国民に訴えた。
朝日新聞社