中国の江蘇省無錫市江陰市で19日夜、生まれてまもない赤ちゃんが15万元(約315万円)で売られる事件があった。子どもの誘拐・人身売買の防止活動に取り組むボランティアの男性らが現場を確認した後、警察に通報。仲介した22歳の男が翌日、警察に拘束された。
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警察の発表や中国メディア・紅星新聞によると、江陰市で働く18歳の女性が6日に子どもを出産。しかし女性が子どもを育てられないとして、親族がSNSで養育してくれる人を探し、22歳の男が仲介して福建省の人物に売ったという。男は今年、2歳までの十数人の乳幼児の売買を仲介して成立させたという。
中国では子どもの人身売買が深刻な社会問題となってきた。今回の事件では、ボランティアの男性が子どもを買う客を装って男に近づき、紅星新聞の記者と共に人身売買の現場をおさえたという。
警察は22歳の男のほか、関係する容疑者も拘束したと発表した。男は親戚らと一緒に乳幼児の売買に携わっていると話していたと、紅星新聞は伝えている。(瀋陽=金順姫)
朝日新聞社