冬ドラマが出揃いつつある中、異彩を放っているのが月9の「嘘解きレトリック」(フジテレビ)だ。昭和初期を舞台にしたレトロ・ミステリーで、累計100万部の同名人気コミックの実写化だ。それゆえ、衣装やセット、ロケ場所にも力が入っているのだが……。
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公式ホームページによると《やたら鋭い観察眼を持つ借金まみれの貧乏探偵》の鈴鹿央士(24)と《ウソを聞き分ける奇妙な能力者》の助手・松本穂香(27)のW主演で、二人が難事件を解決していくレトロなバディものだ。
10月7日放送の初回の視聴率は7・1%だったが、第2話では6・5%と0・6ポイント下げた(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。民放プロデューサーは言う。
「かつて平均視聴率で20%超えを連発した月9ですが、昨年4月期の木村拓哉・主演『風間公親―教場0―』の最高12・1%を最後に、最近では単話で二桁を取ることもできていません」
▼23年4月期「風間公親―教場0―」主演・木村拓哉
初回【12・1%】 第2話【10・1%】 平均【9・8%】
▼23年7月期「真夏のシンデレラ」主演・森七菜、間宮祥太朗
初回【6・9%】 第2話【5・4%】 平均【5・7%】
▼23年10月期「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」主演・二宮和也、中谷美紀、大沢たかお
初回【7・8%】 第2話【5・5%】 平均【5・3%】※月9ワースト
▼24年1月期「君が心をくれたから」主演・永野芽郁
初回【7・2%】 第2話【5・8%】 平均【5・8%】
▼24年4月期「366日」主演・広瀬アリス
初回【7・2%】 第2話【6・4%】 平均【6・1%】
▼24年7月期「海のはじまり」主演・目黒蓮
初回【8・0%】 第2話【8・1%】 平均【7・6%】
雰囲気はいい
「概ね初回で7~8%を取るものの第2話で5%台にまで急落し、その数字が平均視聴率とほぼ一緒になるパターンが多い。つまり、回が進むにつれ尻上がりに数字が伸びていくことがないのです」
「嘘解きレトリック」は第2話で5%台にまでは下がらなかった。
「そこまで酷くならずに済んでスタッフはホッとしているかもしれません。とはいえ、このままでは平均6%台かもしれません」
SNSでの評価はそれほど悪くないのだが、絶賛と言うほどでもない。
《『嘘解きレトリック』の雰囲気が最高! 小道具も細かくて、朝ドラというか…まるでタイムスリップしたみたい。月9にしては異色だけど、やっぱりいいね! 》
《#嘘解きレトリック いま、わりと好きで見てるドラマ。ゆる~いミステリ。マンガパークで原作をちょこちょこ読んでいってます。ドラマにしては珍しい、ほぼほぼ原作通り。名探偵コナンとか過激な推理ものに慣れている人には、物足りないかもね~。》
「雰囲気がいいという声が多いようです。昭和初期という現代劇とは異なる時代劇ですから、小道具や衣装にもお金がかかっていることがわかります。現代劇なら衣装はタイアップでタダ同然で使えますが、そうはいきませんからね。セットも豪華で、フジの湾岸スタジオはじめ、ワープステーション江戸(茨城県)、千葉県立房総のむら(千葉県)といったスタジオや施設、千葉県香取市の佐原など昔ながらの街並みもロケに使われているようです。それらが“雰囲気”に繋がっているのでしょう」
もっとも、数字はそれほどではない。