石破首相は「日本のリズ・トラス」になるのか 政権運営に不安の声


【画像】わずか44日で辞任したリズ・トラス元英首相

9月27日に与党・自由民主党の総裁に選出された石破は、10月1日に首相に就任した。その前後で、長年掲げていた政策方針の多くをほぼ180度転換させた。

税率の引き上げ? ないかもしれない。利上げや円高の促進? これもあまりなさそうだ。「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の創設? すぐには進まない。対中政策? いずれわかる。女性のエンパワーメント? さてどうか。

石破は衆議院の解散と総選挙についても前言を翻した。衆議院の解散は基本的に、内閣不信任案が可決された場合に限るというのが石破のかねての持論だったが、首相就任の前日、10月9日に衆議院を解散して10月27日に投開票する方針を唐突に表明した。

こうしたもろもろによって日本の政局は混迷している。ここで引き合いに出すべきは、英国の2代前の首相リズ・トラスかもしれない。

英国のタブロイド紙デイリー・スターは2022年10月14日、前月6日に首相に就任したばかりだったが早くも退陣観測が出ていたトラスの写真の横に、レタス1玉を置いてライブストリーミングを始めた。「トラスとレタスのどちらが長く持つか」というふざけた実験だった。結局、トラスは英国債と通貨ポンドを暴落させた責任をとる形で同月20日、辞任を表明し、長持ちレースはレタスの勝利に終わった。トラスの首相就任から辞任表明まではわずか44日だった。

そろそろ日本のどこかのメディアが英紙に倣って、「石破と菜っ葉の長持ち比べ」を始めてもおかしくない。

石破が自民党総裁選を制して多くの人を驚かせる前、自民党が1カ月後に政権を失うシナリオについて検討した人は、いたとしても少なかった。自民党は1955年以来、2回だけ短い中断があった以外、ほぼ一貫して政権を維持してきた。だが、石破が失策を重ねるごとに、自民党が政権を失う可能性は現実味を増しているように見える。



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