【首相官邸襲撃】49歳男を凶行に駆り立てた「家庭環境の闇」とは?

10月19日早朝、自民党本部と首相官邸に相次いで襲撃事件が発生し、日本中が震撼しました。犯行に及んだのは、職業不詳の臼田敦伸容疑者(49)。高圧洗浄機のような機器や火炎瓶などを用いた計画的な犯行の裏には、一体どのような闇が潜んでいたのでしょうか。今回は、父親の告白から浮かび上がった、臼田容疑者の複雑な家庭環境に迫ります。

父親の告白「過剰な期待と特殊な家庭環境が影響か」

埼玉県川口市内で歯科医院を営む父親の篤伸さん(79)は、息子の犯行動機について、「自公政権への反発」と分析しています。その一方で、「暴力で言論を抑制しようとするのはもってのほか。恨みの出し方が極端になってしまった背景には家庭環境があったと思います」と語り、複雑な家庭環境が人格形成に影響を与えた可能性を示唆しました。

埼玉県川口市内で取材に応じる臼田容疑者の父、篤伸さん埼玉県川口市内で取材に応じる臼田容疑者の父、篤伸さん

篤伸さんによると、臼田容疑者は高校卒業後、ウェブサイト制作や長距離トラック運転手など職を転々とし、事件前はウーバーイーツの配達員をしていましたが、半年前に辞めて以降は自室に引きこもりがちだったといいます。

篤伸さんは、「親として過剰に期待してしまった面はあるかもしれません。できれば医者になってほしいという思いもありました」と、教育方針について振り返っています。

母親の愛情を知らず、義母からの虐待も…

さらに、篤伸さんは「特殊な家庭環境も少なからず人格形成に影響したと思います」と語り、臼田容疑者が幼少期に母親の愛情を受けられなかったこと、そして父親の再婚相手である義母から精神的な虐待を受けていたことを明かしました。

「息子は母親の愛情を知りません。彼には弟がいますが、一緒に暮らしたこともありません。私の再婚相手である義母から精神的な虐待を受けていたこともあります」

家庭環境について、成人した臼田容疑者から責められたこともあるといい、「子育ての面では親として責任を感じています」と語っています。

ガレージにはポリタンクや可燃物が… 異変に気づかなかったのか?

篤伸さんは、臼田容疑者と「ひとつ屋根の下で暮らしていた」としながらも、「異変は感じなかった」と語っています。しかし、ガレージには犯行に使用されたとみられるポリタンクや可燃物があったことを認め、「何に使っているのかと聞いても、息子は言葉をぼかしていた」と説明しています。

臼田敦伸容疑者(父親の篤伸さん提供)臼田敦伸容疑者(父親の篤伸さん提供)

「息子は性格的に人を殺したりするような人間ではありません。その点は安心していました。ただ、悪い意味で正義感が強い。私は息子のことを『中年の引きこもり』だと考えていましたが、時間をかけて今回の準備をしていたのでしょう」

篤伸さんは、今回の事件をきっかけに、家庭環境が子供に与える影響の大きさを改めて痛感したのではないでしょうか。

今回の事件は、私たちに家庭の重要性、そして社会とのつながりの大切さを改めて突きつけるものとなりました。