マカオで今年8例目の在郷軍人病感染確認…患者は69歳男性、中国江西省渡航歴


 患者は慢性疾病を持つマカオ人の男性(69)で、10月19日から発熱と息切れの症状が現れ、21日に症状が悪化したため、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)の救急外来を受診し、入院。同院における補助検査でレジオネラ・ニューモフィラ抗原陽性及びA型インフルエンザ陽性であることが明らかとなり、在郷軍人病と診断されるに至ったとのこと。目下、患者の容体は危篤で、人工呼吸器を使用する必要があるという。

 なお、患者は潜伏期間中の10月12~14日にかけて中国江西省へ家族旅行に出かけ、同行の家族も患者と同様に19日から咳や息切れの症状が出ていたことがわかっており、SSMが受診の手配を進めているとした。

 SSMによれば、在郷軍人病はレジオネラ属菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられているとのこと。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ属菌は多様な環境下に存在するが、20~45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。

 マカオで在郷軍人病の感染者が見つかるのは極めて稀なケースだが、今年については3月に1人、4月に4人、5月に1人、8月に1人、9月に1人、10月に1人(今回のケース)の感染確認があった(このうち7人が潜伏期間中に中国本土または香港滞在歴があり、1人は未発表)。近年の感染確認例は2023年が1人、2022年が1人、2021年が3人、2020年が6人、2019年が2人、2018年が5人。

 今回の感染確認を受け、SSMは広く公衆に対して在郷軍人病予防策を講じ、感染リスクを軽減するよう累次の呼びかけを行った。



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