高市早苗首相(64)が24日に行った所信表明演説は、力強い言葉で締めくくられたものの、国会では首相の声がかき消されるほどの大きなヤジが飛び交い、演説中断の場面も発生した。この国会ヤジ問題はSNSで瞬く間に拡散し、ヤジを飛ばしたとされる立憲民主党議員への批判が殺到、彼らのSNSは炎上状態となった。一連の騒動は、議会活動におけるヤジの是非を巡る議論へと発展し、政界全体に波紋を広げている。
高市早苗首相の所信表明演説を行う国会の様子
「議会活動」とヤジを擁護する立憲民主党議員たち
ヤジ問題が過熱する中、立憲民主党の複数議員がこれを「議会活動の重要な一部」と擁護し、議論を過熱させた。24日、参院議員の小西洋之氏(53)はXで「ヤジは非常に重要な国会議員の議会活動です」と投稿。高市首相演説における「日露関係は厳しい状況にありますが、日本政府の方針は、領土問題を解決し、平和条約を締結することです」との発言に対し、「『北方四島の(領土問題)』が抜けている!安倍政権の売国外交に戻るつもりか!」と自身もヤジを飛ばしたことを明かした。
石垣のりこ参院議員(51)もXで、「政府方針に疑義や不満を感じる際の表現の一つが『ヤジ』である」と主張。「政策や答弁への即時的な反応としてのヤジを単に『無作法』と切り捨てるのは、議会制民主主義の理解として浅い」と批判に反論。
水沼秀幸衆院議員(35)は、自身のヤジ動画への批判に「聴いてないと適切に野次れないです。」と皮肉で応酬。これら立憲議員による擁護姿勢は、ネット上で党への批判を一層強めた。
橋下徹氏がヤジを一刀両断「国会は幼稚園か!?」
立憲民主党の擁護姿勢に対し、元大阪府知事・元大阪市長で政治評論家の橋下徹氏(56)は27日、『旬感LIVE とれたてっ!』(カンテレ)でヤジ問題に痛烈な批判を展開した。橋下氏は「国会議員は全員、民間企業で研修を!!」「国会は幼稚園か!?」「頭悪いんじゃないのか!?」と持論を展開。ヤジは「時代遅れ」であり、地方議会では行われていないと断言し、「民間の大切な会議でヤジなんかありますか?」と国会の品位と効率性に疑問を呈した。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏(67)が「ヤジにも質がある」と意見するも、橋下氏は「ヤジに質も何もない。民間の役員会議と同じでいい」と反論。また、ヤジを飛ばした立憲所属議員を野田佳彦代表(68)が注意したことに触れ、「意識を変えないと政権は取れない」と立憲民主党に変化を促した。橋下氏のこの発言は、立憲民主党への世間の厳しい目をさらに集中させる結果となった。
立憲民主党への国民の不満と政局への影響
橋下氏のコメントを受け、ネットニュースのコメント欄には立憲民主党への国民の不満が爆発。「政権取る気なんてないでしょうw」「高市さんの批判ありきだと与党経験者も見限るだろう」「選挙で選ばれた代表として、恥ずかしくない態度をお願いしたい」といった厳しい意見が相次いだ。
全国紙政治部記者は、今回のヤジ論争が他の野党にも影響を与えていると指摘。国民民主党は一時支持率が低迷し玉木雄一郎代表への批判が集中したが、立憲民主党がヤジ論を展開し矢面に立ったことで、「国民民主党はラッキーと思っているのでは」と分析。「最終的にもっともイメージダウンとなったのは立憲だろう」と述べ、騒動が立憲民主党に与える負の影響の大きさを強調した。
橋下徹氏の痛烈な批判と、国民からの厳しい目が交錯する中で、立憲民主党はまさに「燃え尽きてしまいそうなほど燃えている」状況にある。今回の国会ヤジ問題は、単なる一議員の行動に留まらず、政党全体のイメージと信頼性を大きく揺るがし、ひいては今後の日本の政治情勢に無視できない影響を与えることになりそうだ。立憲民主党がこの逆風をどう乗り越え、国民の信頼を取り戻すのか、その動向が注目される。




