死後離婚:増加する背景と手続き、そして注意点とは?

近年、耳にすることが増えた「死後離婚」。これは、配偶者が亡くなった後、義理の家族との関係を解消する手続きのことです。今回は、増加する「死後離婚」の背景や手続き、注意点について詳しく解説していきます。

なぜ「死後離婚」を選ぶ人が増えているのか?

法務省の統計によると、「死後離婚」の件数は年々増加しており、2012年には2213件だったものが、2022年には3000件を突破しました。一体なぜ、これほどまでに「死後離婚」を選ぶ人が増えているのでしょうか?

その背景として、熟年離婚の増加や、核家族化が進んでいることが挙げられます。長年連れ添った夫婦関係が破綻し、離婚を考えている矢先に配偶者が亡くなってしまうケースや、配偶者との死別後、義理の家族との関係に悩まされるケースが増加しています。

「死後離婚」は、戸籍上は配偶者のままですが、義理の家族との関係を断ち切りたい、自分の人生を自由に生きたいと考える人にとって、一つの選択肢となっているのです。

増加する「死後離婚」のイメージ増加する「死後離婚」のイメージ増加する「死後離婚」。高齢化社会の複雑な家族関係を反映していると言えるでしょう。(画像はイメージです)

「死後離婚」の手続き方法と注意点

「死後離婚」は、戸籍上の手続きとしては、最寄りの市区町村役場に「姻族関係終了届」を提出するだけで完了します。

しかし、「死後離婚」はあくまでも義理の家族との関係を解消する手続きであり、配偶者との婚姻関係が解消されるわけではありません。そのため、戸籍上の姓が変わるわけではなく、遺産相続や遺族年金の受給資格に影響はありません。

また、「死後離婚」を選択する前に、周囲の理解を得ることが重要です。特に、自分の子供や孫がいる場合は、彼らの気持ちを考慮する必要があります。「死後離婚」は、新たなスタートを切るための前向きな選択となる一方で、周囲との関係に変化をもたらす可能性もあることを理解しておく必要があります。

専門家の意見

家族問題に詳しい弁護士の山田先生は、「『死後離婚』は、義理の家族との関係に悩む人にとって有効な手段となりえます。しかし、手続き前に弁護士等の専門家に相談し、自身の状況をしっかりと把握しておくことが重要です。」と述べています。

まとめ

「死後離婚」は、増加する熟年離婚や複雑化する家族関係を背景に、注目を集めている手続きです。義理の家族との関係解消、自分らしい生き方を選択する権利は誰にでもあります。

もし、「死後離婚」についてお悩みであれば、一人で抱え込まず、専門家や相談機関に相談してみるのも良いでしょう。