ハンガリー首相、国民に「EUへの抵抗」呼び掛け 反ソ暴動になぞらえ


【写真】別々の「ハンガリー動乱」記念イベントで演説するオルバン氏とマジャル氏

 ハンガリーはEUの輪番議長国を務めているが、国粋主義者のオルバン氏は、EUで最もロシアに近い指導者として知られる。同氏はこれまでも西側諸国とロシアの間で戦争になる恐れがあるとあおり、その原因はEUと北大西洋条約機構(NATO)にあると主張している。

 2010年から実権を握るオルバン氏は現在、与党「フィデス・ハンガリー市民同盟」を離脱して野党指導者となったマジャル・ペテル(Peter Magyar)氏の前例のない挑戦を受け、強まる圧力にさられている。

 オルバン氏は首都ブダペストの公園に集まった人々に対し、「外国勢力、今回はEUの意思に屈するのか、それとも抵抗するのか? 私たちの答えは1956年と同じように明白でなければならないのではないか」と呼び掛けた。

「われわれが1956年から得た教訓は、ハンガリーとその自由のために、ただそのために戦わなければならないということだ」と付け加えた。

 ハンガリー動乱は1956年10月23日に始まり、旧ソ連によって11月4日に鎮圧された。約3000人が死亡、2万人が負傷し、ハンガリーの抑圧に対する闘いの象徴となった。

 同日オルバン氏の発言後に行われたデモ行進で、マジャル氏はオルバン政権がロシアに屈服していると非難。

 参加者らに向かって「私たちの国は現在、ハンガリーの自由と立憲主義の基盤である1956年から受け継いだものをほぼすべての言動で冒涜するような男によって導かれている」と訴えた。

 オルバン氏は、ウクライナ政府が提案する「勝利計画」の下では「ハンガリー国民がある朝目覚めたら、東から襲来したスラブ兵が再びハンガリー領内に駐留していることになるだろう」と警告した。

 オルバン氏は演説で、EUはマジャル氏をトップに据えて、ハンガリーに「かいらい政権」を樹立しようともくろんでいるとも主張。

「EUがハンガリーを戦争に追い込もうとしていることも、移民を押し付けようとしていることも、ハンガリーの子どもたちをジェンダー活動家に引き渡そうとしていることも分かっている」と続けた。

 オルバン氏は法の支配から性的少数者(LGBTQ)の権利に至るさまざまな問題で、EUと頻繁に衝突している。【翻訳編集】 AFPBB News



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