「息子は狙われていた」「真相をしゃべられてはマズいから殺された」 “天才霊感少女”藤田小女姫事件で服役していた男の母親が独白


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「お風呂から上がってテレビをつけたら、雷太が映ったんです。『殺された』と。やっぱりね、と思って……」

 と、茂代さんが語る。

 自室の床に残された血痕、切り取られたじゅうたん、監視カメラの映像、さらには吾郎さんに負った借金……裁判では、雷太の犯行を裏付けるさまざまな物証が提出されたが、中には単独犯とは思えない証拠も含まれていた。元新聞記者で貿易商の夫と共に渡米した茂代さんは、息子の潔白を示す証拠を探しながら冤罪を訴えた。本誌(「週刊新潮」)も、小女姫さんの亡きがらの写真を独自に入手し、リンチを受けたかのような惨状から単独犯説に疑いあり、と報じている。

「息子は殺してない」

 死体運びこそ認めた雷太だが、殺人は否認。「真犯人を知っているが言えない」と述べた。「もし言えば両親に危害が及ぶ」とも……。

 結局、共犯者不明のまま、彼は殺人罪で終身刑を言い渡されたのだった。

「雷太はどこに行っても、狙われていたんです。真相を喋られてはまずいから殺されたんだと思います」

 と推し量る茂代さんの脳裏に、獄中の息子を励まし続けた日々がよみがえる。雷太から毎週、コレクトコールで国際電話がかかってきた時期もあったっけ。自身ががんを患い、余命5年と宣告されたことも。実際は夫に先立たれたのだが。

 茂代さんが続ける。

「雷太も、刑務所に入ってから全身がんになりました。どっちにしても長くない命でした。終身刑だし、痛い思いをしたかもしれないけど、これでよかったのかな、あんなところで死ななきゃならない運命だったのかな、とも思います。私の両親も主人もお墓に入っていますから、雷太もそこで安らかに眠ってほしいと祈っています。……向こうで火葬してくれるんでしょうか」

 享年59。かの地からは何の連絡もないという。

新潮社



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