滋賀県出身のアーティスト、西川貴教さん。T.M.Revolutionとしての輝かしい音楽活動はもちろんのこと、故郷・滋賀県への熱い想いと精力的な活動で、今や「滋賀の顔」として県内外から絶大な支持を得ています。西川さんはなぜこれほどまでに滋賀に情熱を注ぐのでしょうか?イナズマロックフェスをはじめとする活動の裏側にある想い、そして未来へのビジョンを探ります。
地方創生への熱い想い:少年時代の葛藤から生まれた情熱
西川さんを滋賀への活動へと駆り立てる原動力は、少年時代に地方で育った経験にあります。都会に比べて情報や物が手に入りにくい環境に、もどかしさを感じていたといいます。インターネットの普及により状況は改善されたものの、地方特有の課題は依然として残っていると感じ、西川さんは立ち上がりました。
西川貴教さん
滋賀県は大阪のベッドタウンとしての側面が強く、県民の多くが県外で働くため、県内経済の活性化が大きな課題となっています。西川さんは、子供たちが地元に愛着と誇りを持てるよう、滋賀県内で経済を循環させる仕組みづくりを目指しています。
イナズマロックフェス:滋賀の魅力発信の旗印
西川さんが立ち上げた「イナズマロックフェス」は、滋賀県に人を呼び込み、地域経済を活性化させるための大きなプロジェクトです。2009年の初開催から16年目を迎えた2024年は、2日間で94組のアーティストが出演し、9万5000人を動員する西日本最大級の音楽フェスへと成長しました。
この成功の裏には、西川さんの並々ならぬ努力がありました。立ち上げ当初はメディアの注目度も低く、出演交渉も自ら行い、イベント初期の数年間は赤字が続き、私財を投じることもあったといいます。
地方創生の専門家である山田教授(仮名)は、「イナズマロックフェスは、地域活性化の成功事例として非常に意義深い。単なるイベントではなく、地域経済への波及効果も大きく、持続可能な地域振興のモデルケースと言えるでしょう」と高く評価しています。
終わらない罪滅ぼし:母への想い、そして滋賀の未来へ
西川さんの情熱の源には、2017年に他界した母親への想いも込められています。高校中退後、音楽活動のために上京した西川さんは、なかなか芽が出ない時期が続き、家族に心配をかけてきました。
イナズマロックフェス
「家族、そして滋賀県に貢献することで、少しでも恩返しがしたい」と語る西川さんの言葉には、深い愛情と責任感が込められています。
新たな挑戦:持続可能な地方創生「KOMECON」
西川さんは、イナズマロックフェス以外にも、持続可能な地方創生プロジェクト「KOMECON」を立ち上げ、新たな挑戦を続けています。滋賀県の魅力を多角的に発信し、地域経済の活性化に貢献していくための西川さんの活動から、今後も目が離せません。