日本の社会構造に深く根付いた、国民はもちろん、首相や官僚でさえも理解していない「裏の掟」が存在します。それは、占領期以来続く米軍と日本のエリート官僚の間で結ばれた軍事上の密約に端を発するものです。今回は、日米関係における米軍の影響力について、空域管理と沖縄における基地問題を軸に深く掘り下げていきます。
米軍支配下の日本の空:首都圏上空の異常事態
独立国の首都圏上空が他国の軍隊に支配されているという異常な事態。なぜこれが大きな問題になっていないのでしょうか。過去には共産党による国会質問や石原慎太郎都知事(当時)による横田基地の軍民共同使用の議論、近年ではテレビ番組での特集など、問題提起は行われてきました。しかし、状況は変わらず、国会での紛糾や大規模デモも発生していません。まるで「普通の国」ではないこの異常な状態が、なぜ放置され続けているのか、疑問は深まるばかりです。
首都圏上空
そして、さらに驚くべき事実は、米軍の影響力は空域だけに留まらないということです。
沖縄の小さな集落・高江:地上における米軍の特権
沖縄県名護市辺野古の米軍基地新設工事は広く知られていますが、沖縄本島北部の小さな集落、高江で何が起きているかを知ることで、米軍が地上でも日本の国内法を無視する特権を持っていることが明らかになります。
人口わずか140人ほどの高江では、北部訓練場の一部返還を巡る問題が発生しました。2016年には約4000ヘクタールが返還されましたが、米軍は返還と同時に「権限の強化」や「訓練機能の強化」を実現しています。普天間基地の代わりに辺野古に最新基地を建設する計画もその一例です。
高江の中心的な問題は、事故の多いオスプレイが使用するヘリパッド建設です。住民との激しい対立が続いています。これは、米軍が日本の主権を軽視し、自国の利益を優先している証左と言えるでしょう。軍事評論家の佐藤一郎氏(仮名)は、「米軍は返還という美名のもと、実質的な支配力を強化している」と指摘しています。
沖縄の現状は、日米地位協定の問題点、そして日本の安全保障政策の再考を促す重要な事例です。日本の領土、領空、そして国民の安全を守るためには、日米関係のあり方を見つめ直す必要があるのではないでしょうか。