天皇皇后両陛下との対面写真に坂本龍一さんの名曲「The Last Emperor」をBGMとして使用したスケートボード選手の堀米雄斗選手。この選曲をめぐり、SNS上で賛否両論が巻き起こっています。伝統的なメロディーと格式高い園遊会という舞台に、一見相応しい組み合わせにも思えますが、曲のタイトル「最後の皇帝」が天皇陛下のお写真と結びつき、一部で不適切ではないかとの声が上がりました。本記事では、この騒動の背景、ネット上の反応、そして「The Last Emperor」の魅力について掘り下げていきます。
園遊会写真と「The Last Emperor」：騒動の経緯
10月30日に行われた赤坂御苑での園遊会に出席した堀米選手。その際撮影された天皇皇后両陛下との対面写真を、自身のインスタグラムに投稿しました。この投稿にBGMとして使用されたのが、映画「ラストエンペラー」のテーマ曲である坂本龍一さんの「The Last Emperor」でした。
天皇皇后両陛下と堀米雄斗選手
この選曲に対し、SNS、特にX（旧Twitter）上では「最後の皇帝」というタイトルが天皇陛下に結びつき、不敬ではないかとの批判が噴出しました。「曲のタイトルを理解しているのか？」「配慮に欠ける」といった厳しい意見も散見されました。一方で、「悪意はないだろう」「単に曲の雰囲気を重視したのでは」と擁護する声も上がり、賛否両論の議論が展開されました。その後、堀米選手は当該投稿を削除しました。
ネット上の反応：賛否両論の渦中
批判的な意見としては、「最後の皇帝」というタイトルが、現天皇陛下にふさわしくないという点が挙げられています。歴史的背景を考えると、溥儀を題材としたこの曲のタイトルは、現在の天皇陛下に関連付けるべきではないという意見が多く見られました。
一方、擁護派からは、「The Last Emperor」は荘厳で美しい曲であり、園遊会の雰囲気にも合致しているという意見が出ています。また、堀米選手が曲のタイトルの意味を深く考えずに、雰囲気だけで選曲した可能性を指摘する声もありました。音楽評論家の山田一郎氏（仮名）は、「『The Last Emperor』は、単に『最後の皇帝』という意味だけでなく、時代の流れに翻弄された溥儀の人生、そして人間の尊厳を描いた壮大な作品です。堀米選手がその深い意味まで理解していたかは不明ですが、曲の持つ荘厳な雰囲気に感銘を受けた可能性は高いでしょう。」と分析しています。
坂本龍一「The Last Emperor」：時代を超える名曲の魅力
「The Last Emperor」は、1987年公開の映画「ラストエンペラー」のテーマ曲として、坂本龍一さんが作曲しました。映画は清王朝最後の皇帝・溥儀の波乱万丈な人生を描いた作品で、アカデミー賞9部門を受賞するなど、世界的に高い評価を得ています。
この曲は、中国の伝統楽器と西洋のオーケストラを融合させた独特のサウンドが特徴で、美しくもどこか哀愁を帯びたメロディーは、聴く者の心を深く揺さぶります。公開から30年以上経った現在でも、多くの人々に愛され続けている名曲です。
まとめ：選曲の真意は不明ながらも、議論を呼ぶ
堀米選手の選曲の真意は本人のみぞ知るところですが、今回の騒動は、SNS時代における情報発信の難しさ、そして文化や歴史に対する理解の重要性を改めて浮き彫りにしました。
「The Last Emperor」は、歴史的背景を持つ重厚なテーマ曲です。その荘厳な雰囲気は、様々な場面にマッチする一方で、タイトルの持つ意味合いによっては誤解を招く可能性もあることを、今回の騒動は示唆しています。
