共働き世帯が増える中、家事分担は夫婦喧嘩の火種になりがちです。特に夫が正社員、妻がパートという家庭では、妻の負担が大きくなり不満が募ることも。今回は、年収の壁と家事分担のジレンマに悩む夫婦の実例を通して、賢く乗り越える方法を探ります。
パート主婦の嘆き:年収の壁と家事負担の板挟み
夫が正社員、妻がパートという共働き世帯では、妻が家事の大部分を担っているケースが多く見られます。しゅふJOB総研の調査によると、仕事と家庭の両立を希望する主婦層が最も望ましいと考える雇用形態は「短時間非正規社員」で全体の35.4%、次に「短時間正社員」で25.9%という結果が出ています。一方で、家庭の制約がなければ「フルタイム正社員」を希望する人が43.3%と、理想と現実のギャップが浮き彫りになっています。
主婦がパソコンで作業している様子
地方在住の山下博さん(仮名・44歳)と久美さん(仮名・42歳)夫婦も、夫が正社員、妻がパートという共働き世帯です。小学生と幼稚園児の2人の子供を持つ久美さんは、家計の不安からもっと働きたいと考えていますが、博さんから「年収130万円は超えないように」と言われて悩んでいます。
年収の壁とは?6つの壁を理解しよう
博さんが気にしているのは、いわゆる「年収の壁」。税金や社会保険に関わる6つの壁があり、妻の収入によっては夫の税金や社会保険料が増加したり、妻自身の社会保険料の負担が生じたりする可能性があります。
税制上の年収の壁
- 100万円の壁:住民税の課税対象
- 103万円の壁:所得税の課税対象
- 150万円の壁:夫の配偶者控除が減額
- 201万円の壁:夫の配偶者控除がなくなる
社会保険上の年収の壁
- 106万円の壁:社会保険の加入義務発生
- 130万円の壁:夫の扶養から外れる
家計管理アドバイザーの山田美智子さん(仮名)は、「年収の壁を正しく理解し、夫婦で将来のライフプランを共有することが大切です。収入だけでなく、支出も含めた家計全体を把握し、最適な働き方を検討しましょう」とアドバイスしています。
家事分担の負担軽減:夫婦で協力し、より良い生活を
家事の負担を軽減するためには、夫婦で協力することが不可欠です。家事代行サービスの利用や、時短家電の導入も有効な手段です。
例えば、食洗機やロボット掃除機を導入することで、家事時間を大幅に短縮できます。また、週末にまとめて作り置きおかずを準備しておけば、平日の調理時間を減らすことができます。
まとめ:コミュニケーションと工夫で乗り越えよう
年収の壁と家事分担のジレンマは、多くの共働き夫婦が抱える課題です。夫婦でしっかりと話し合い、お互いを理解し合うことが大切です。家事分担の見直しや、外部サービスの活用など、様々な工夫を凝らし、より良い生活を目指しましょう。