兵庫県知事選で再選された斎藤元彦知事は20日、内部告発問題や選挙期間中の対立候補への支持表明でぎくしゃくしていた県内の市長との関係について、修復を目指す考えを示した。県庁で記者団に「いい話し合いをして、連携を確認したい」と述べた。
問題で県政が混乱したことを受け、県内の市長からは「速やかに辞職するべきだ」(7月23日、蓬莱務・小野市長)など批判が相次いだ。29市長でつくる県市長会は8月、斎藤氏に早期の混乱収拾を求める要望書を提出。知事選終盤の今月14日には、22市長が「市長会有志」として、連名で対立候補の前同県尼崎市長の稲村和美氏を支持する声明を発表し、「これ以上の混乱は、県民を不幸にする」と指摘した。
斎藤氏は20日、記者団から県内首長との関係を問われ、「市長会も有志で色んな動きをされたが、選挙が終われば一つのチームだ」と述べ、26日開催の首長との懇話会で連携を確認する意向を示した。
市長側も、関係改善に前向きな姿勢を示している。市長会副会長の福元晶三・宍粟市長は18日、「県職員や市町長とコミュニケーションを取り、うまくリードしてほしい」と述べた。
17日夜に当選確実となった斎藤氏の事務所には、稲村氏への支持表明に名を連ねた藤原保幸・伊丹市長や山崎晴恵・宝塚市長らが姿を見せた。藤原氏は19日、読売新聞の取材に「民意が示されたのだから、結果に従うのが民主主義の基本」と語った。山崎氏も「選挙応援の有無で県政や市政を動かしていたら、むちゃくちゃになる。連携を取るのが当たり前だ」と述べた。
一方、知事選に「斎藤氏のサポート」を掲げて立候補した政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏は17日夜、22市長の声明を批判し、地域政党を設立して22市で今後行われる市長選に候補者を擁立する意向を示した。19日には、来年1月の南あわじ市長選に自ら立候補する考えを表明した。
3期目を目指して立候補予定の守本憲弘・南あわじ市長は20日、読売新聞の取材に「対抗馬が立つことは当然の動き。自分の選挙をするしかない」と語った。