ハンガリーのオルバン首相は、国際刑事裁判所（ICC）による逮捕状発布を受けたイスラエルのネタニヤフ首相をハンガリーに招請する意向を表明しました。 両国の緊密な関係、そしてハンガリーにおける逮捕状執行の保証など、今回の招請劇の背景にある事情を詳しく解説します。
ICC逮捕状発布とオルバン首相の反応
2024年11月21日、ICCはネタニヤフ首相に対し、戦争犯罪と人道に対する罪の容疑で逮捕状を発布しました。これに対し、オルバン首相は国営ラジオでICCの決定を「間違っている」と批判。 ハンガリーでは逮捕状は執行されず、ネタニヤフ首相は「安全に」交渉を進められると明言しました。
オルバン首相とプーチン大統領の会談の様子
ハンガリーとイスラエル：強固な関係性
オルバン首相とネタニヤフ首相は緊密な関係を築いており、2017年にはネタニヤフ首相がブダペストを訪問しています。ハンガリーはEU加盟国の中でもイスラエルを強く支持する国のひとつとして知られています。今回の招請は、こうした両国間の強固な関係性を改めて示すものと言えるでしょう。 国際政治アナリストの加藤一郎氏（仮名）は、「オルバン首相の今回の行動は、EU内での孤立を深める可能性があるものの、イスラエルとの関係強化を優先した戦略的な判断と言えるだろう」と分析しています。
EU内の反応と各国の立場
EUのボレル外交安全保障上級代表は、ICCの決定は政治的なものではなく、尊重され実行されるべきだと強調しました。 EU加盟国の中でも、ハンガリー、チェコはイスラエル支持の立場を明確にしていますが、スペインやアイルランドなどはパレスチナへの支援を重視しています。 チェコ外務省はICCの決定について国際法上の義務を尊重する姿勢を示しつつも、フィアラ首相はICCの決定を「残念だ」とSNSに投稿するなど、複雑な立場が浮き彫りになっています。 この複雑な国際情勢の中で、ハンガリーのオルバン首相の決断は更なる波紋を呼ぶ可能性があります。
今後の展開
オルバン首相の招請に対し、ネタニヤフ首相がどのように対応するのか、今後の展開が注目されます。 また、この一件がEUとイスラエルの関係、そして国際社会全体にどのような影響を与えるのか、引き続き注視していく必要があるでしょう。
まとめ
ICCの逮捕状発布を受け、オルバン首相はネタニヤフ首相をハンガリーに招請する意向を表明しました。 ハンガリーとイスラエルの緊密な関係、EU内での各国の複雑な立場、今後の国際情勢への影響など、多くの注目点があります。 今後の動向から目が離せません。
