歴代首相主治医が語る「真に良い医者」と健康診断との付き合い方

現代社会において、健康への意識はますます高まり、健康診断も定期的に受けることが一般的になっています。しかし、検査結果の数値に一喜一憂したり、過剰に心配したりする人も少なくありません。この記事では、歴代首相の主治医を務めた水町重範氏と、東京医科大学呼吸器外科・甲状腺外科主任教授の池田徳彦氏の対談をもとに、「真に良い医者」とは何か、そして健康診断との正しい付き合い方について考えていきます。

良い医者とは? 患者中心の医療の重要性

西新宿の高層ビル街西新宿の高層ビル街

池田氏は、大学病院で検査結果に異常が見つかった患者を診る中で、検査内容の説明が不十分なケースが多いと指摘します。数値が基準値をわずかに超えただけで、機械的に「専門医に診てもらいなさい」と指示するのではなく、患者一人ひとりの状況に合わせて、生活習慣の改善を促すなど、より柔軟な対応が必要だと訴えています。

水町氏は、40年以上クリニックを運営する中で、患者が医療に対してより詳しくなり、薬に頼らず生活習慣の改善で健康を維持しようとする人が増えていると実感しています。コレステロール値が高い場合でも、薬を飲むか、運動や食事制限で対応するかの選択肢を提示すると、多くの人がダイエットを選ぶようになったそうです。

検査結果とどう向き合う? 過剰な心配は禁物

医師と患者の面談医師と患者の面談

健康診断は、自身の健康状態を把握し、病気の早期発見・早期治療につなげるための重要なツールです。しかし、数値だけに囚われて過剰に心配する必要はありません。大切なのは、検査結果を医師としっかり話し合い、自身の生活習慣や体質に合った対策を立てることです。

例えば、「健康診断で血糖値が少し高めだった」という場合、すぐに糖尿病と決めつけるのではなく、食生活の見直しや適度な運動を取り入れるなど、生活習慣の改善から始めてみましょう。それでも改善が見られない場合は、医師の指導のもと、適切な治療を受けることが重要です。

患者と医師の信頼関係が大切

長年、多くの患者を診てきた水町氏は、患者との信頼関係を築くことが何よりも大切だと語ります。患者の話をじっくり聞き、不安や疑問に丁寧に答えることで、患者は安心して治療に臨むことができます。また、患者自身が健康管理に積極的に取り組むよう、適切なアドバイスやサポートを提供することも重要です。

自分にとって「良い医者」とは?

「良い医者」の定義は人それぞれですが、患者中心の医療を提供し、信頼関係を築ける医師と言えるでしょう。健康診断の結果に不安を抱えている方は、信頼できる医師に相談し、共に健康への道筋を描いていくことが大切です。