韓国ユン大統領、戒厳令6時間で解除 政治生命の危機か?

韓国のユン・ソンニョル大統領が12月3日夜、非常戒厳令を発令するも、わずか6時間後に解除するという異例の事態が発生しました。45年ぶりの戒厳令発令は、国会による全会一致の解除決議案可決という衝撃的な展開で幕を閉じ、ユン大統領の政治生命はまさに崖っぷちに立たされています。

戒厳令発令から解除までの緊迫の6時間

ユン大統領は3日夜、国民向け談話で戒厳令を発令。度重なる弾劾の動きや野党による予算の乱用など、国家機能の麻痺を招く行為を止めるよう国会に強く求めました。しかし、この強硬策は巨大野党の猛反発を招き、わずか6時間後には撤回を余儀なくされました。

altalt戒厳令発令を伝えるニュース速報の様子。国民に衝撃が走った。

4日未明、ユン大統領は再び国民談話を発表し、戒厳令の解除と戒厳軍の撤退を表明。事実上の敗北宣言となりました。直後の閣議では「戒厳令解除案」が議決され、異例の事態は終結しました。

国会での抵抗と与党内の亀裂

野党が国会の圧倒的多数を占める中、戒厳令発令はそもそも成功の見込みが低い賭けでした。ユン大統領は戒厳令発令と同時に軍・警察を国会に投入し、解除決議案の可決を阻止しようと試みたとみられますが、この目論見は失敗に終わりました。

野党議員・職員の抵抗により戒厳軍の国会侵入は遅延。その間に本会議場では、与党議員18人を含む全議員190人の賛成で戒厳解除決議案が可決されました。ユン大統領支持派の与党議員らは本会議を欠席し、事実上大統領を見捨てた形となりました。これは与党内の深刻な亀裂を示唆しており、今後の政局に大きな影響を与える可能性があります。

ユン大統領の政治生命の危機

憲法の規定により、国会が戒厳解除を要求した場合、大統領はこれに従わなければなりません。ユン大統領に残された道は、解除を受け入れる以外にありませんでした。

今回の戒厳令発令は、ユン大統領にとって大きな痛手となりました。野党はユン大統領に対し「内乱罪」の適用を求めており、弾劾訴追手続きが進む可能性も高まっています。

政治アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「今回の件はユン大統領の指導力に深刻な疑問符を投げかけるものであり、今後の政権運営は極めて困難になるだろう」と指摘しています。

今後の政局の行方

戒厳令騒動は韓国政界に大きな波紋を広げ、今後の政局は予断を許さない状況となっています。ユン大統領の求心力低下は避けられず、野党との対立はさらに激化することが予想されます。韓国政治の混迷は深まるばかりで、国民の不安は増す一方です。

まとめ

わずか6時間という短命に終わった戒厳令発令劇。この出来事は、韓国政治の不安定さを改めて浮き彫りにしました。ユン大統領の政治生命は危機に瀕しており、今後の政局の行方に注目が集まっています。