味噌は日本の食卓に欠かせない調味料ですが、その健康効果をご存知でしょうか?今回は、赤坂ファミリークリニック院長であり、東京大学医学部附属病院小児科医でもある伊藤明子先生監修のもと、味噌の驚くべきパワーと、毎日の食生活に取り入れるためのヒントをご紹介します。
味噌の健康効果:腸内環境改善から血圧調整まで!
味噌は発酵食品の代表格。味噌に含まれる善玉菌や麹菌の代謝物は、腸内環境を整えるのに役立ちます。食物繊維豊富な野菜と一緒に摂れば、相乗効果でさらに腸活効果アップ!
味噌と野菜の味噌汁
さらに、近年の研究では、味噌には血圧を調整する効果があることも明らかになっています。以前は塩分が心配されていましたが、1日の味噌汁の摂取量と血圧の関連性を調べた研究[*63]では、味噌汁をたくさん飲む人とそうでない人の間に血圧の差は見られませんでした。むしろ、毎日味噌汁を飲む人の方が血圧が上がりにくいという結果が出ているのです。管理栄養士の山田花子さん(仮名)も、「味噌は塩分だけでなく、カリウムも豊富に含んでいるため、体内の塩分バランスを整えるのに役立ちます」と解説しています。
味噌汁だけじゃない!味噌の様々な活用法
味噌汁はもちろん、味噌ディップとして生野菜に添えたり、おやつにしたりと、様々な方法で楽しめます。最近では、だし入りや液状味噌など、手軽に使える商品も増えてきています。甘口、辛口、赤味噌、白味噌など、種類も豊富なので、好みに合わせて選んでみましょう。
色の違いで食卓に彩りを
赤味噌と白味噌、色の違いは何でしょうか?それは、糖とアミノ酸の反応によるもの。赤味噌は白味噌よりも発酵時間が長いため、善玉菌がやや多く、抗酸化作用の高いメラノイジンという色素が含まれています。赤味噌は仙台味噌や会津味噌など、関東や東北地方でよく見られ、白味噌は関西地方で多く使われています。
味噌汁レシピ:具材の組み合わせで栄養満点!
味噌汁の具材には、味噌で増える善玉菌をさらに育てる発酵性食物繊維がおすすめです。玉ねぎ、ねぎ、キャベツ、ごぼうなどが良いでしょう。
豚汁で野菜たっぷり!
特におすすめは豚汁。赤身の豚薄切り肉、こんにゃく、ねぎ、ごぼう、里芋、豆腐、薄揚げ、にんじんなど、具だくさんで栄養満点!不足しがちな野菜をたっぷり摂ることができます。
味噌を毎日の食卓に取り入れて、家族の健康を守りましょう!
味噌は、腸内環境を整え、血圧を調整するなど、様々な健康効果が期待できる万能調味料。毎日の食卓に積極的に取り入れて、健康的な生活を送りましょう。ぜひ、色々なレシピに挑戦してみて、ご家族で味噌の魅力を再発見してください!
*63 Ito K, et al. The Effects of the Habitual Consumption of Miso Soup on the Blood Pressure and Heart Rate of Japanese Adults: A Cross-sectional Study of a Health Examination. Intern Med. 2017; 56(1):23-29.