数学オリンピック金メダリスト狩野慧志さん、世界4位を掴んだ驚異の集中力と数学愛

数学オリンピックで世界4位、金メダルを獲得した狩野慧志さん。長野県松本深志高校2年生の彼は、一体どのように数学と向き合い、世界レベルの成績を収めたのでしょうか?幼少期からの数学への情熱、独自の学習方法、そして驚異の集中力に迫ります。

幼少期から芽生えた数学への探究心

狩野さんの数学への興味は驚くほど早く、1歳半から数字に惹かれ始めたといいます。2歳で1桁の足し算、幼稚園では掛け算をマスターしていたというから驚きです。小学校時代は、数独パズルに熱中し、小学3年生でジュニア算数オリンピックに出場、見事成績優秀者Bランクに輝きました。その後も数学への探究心を深め、中学1年生で数学検定1級を取得。現在高校2年生の彼は、学校で学ぶ数学はほぼ理解しているとのこと。まさに数学の申し子と言えるでしょう。

altalt狩野慧志さん。学校ではパソコン研究部と数学研究部にも所属。文武両道を実践しています。

競技数学の魅力:答えへの道のりを楽しむ

狩野さんは、受験数学とは異なる競技数学の魅力について語っています。受験数学は定型的な解法を学ぶのに対し、競技数学は論理的に正しければ、独自の解法でも認められる点が大きな違いです。「答えにたどり着くまでの過程を楽しむ」という狩野さんの言葉は、競技数学の本質を捉えています。 数学者である藤原正彦氏も著書で、数学の醍醐味は「解法に至るまでの思考プロセス」にあると述べており、狩野さんの考え方はまさに数学の真髄を体現していると言えるでしょう。

驚異の集中力:1問に8時間思考することも

狩野さんの学習方法は、インターネットや国際数学オリンピックの過去問から問題を探し、じっくりと考えること。1問に4時間かけることも珍しくなく、最長で8時間も考え続けたことがあるといいます。解けない問題に直面した時は、考えられる限りのアプローチを試み、それでも解けない場合は模範解答で解法を学び、自身の思考プロセスを振り返ります。著名な数学教育者である秋山仁先生も、問題解決能力の向上には、粘り強く考え続けることが重要だと提唱しています。狩野さんの学習スタイルは、まさにこの考え方を体現していると言えるでしょう。

altalt国際数学オリンピックで使用された解答用紙をノート代わりに活用する狩野さん。数学への情熱が伝わってきます。

数学への愛が世界4位に導く

狩野さんの数学への情熱、そして独自の学習方法と驚異的な集中力が、国際数学オリンピックでの金メダル獲得という偉業に繋がったと言えるでしょう。彼の今後の活躍に期待が高まります。