韓国大統領弾劾集会で起きた心温まるタクシー運転手の行動

韓国のユン・ソンニョル大統領の弾劾を求める大規模集会が12月7日、ソウル汝矣島の国会前で開催されました。この集会に関連し、参加者へのタクシー運転手の温かい対応がSNSで話題となり、感動を呼んでいます。

タクシー運転手による無料送迎のエピソード

ある市民は、集会に参加するためタクシーを利用し、国会前に到着。2万3500ウォンの運賃をカードで支払いましたが、なんと運転手は2分後に全額をキャンセルしたのです。この出来事は、運賃キャンセルの履歴画像とともにX(旧Twitter)に投稿され、大きな反響を呼びました。

タクシー料金のキャンセル履歴タクシー料金のキャンセル履歴

また、小説家のチョン・ソンラン氏も同様の経験をInstagramで共有。汝矣島へ向かうタクシーの中で運転手にLEDろうそくを渡したところ、「タクシー代はいりませんよ」とメーターを切られ、国会前まで無料で送迎してもらったそうです。「遊びに行くつもりで気軽に行きましょう」という言葉にも感動したと綴っています。

他にも、別のネットユーザーがタクシーに乗車した際、行き先が汝矣島だと分かると運転手がメーターを切って国会前まで送ってくれたというエピソードも報告されています。運転手は「あなたは今日最後のお客さん。私もすぐ家に帰って、暖かくして家族と集会に参加する」と話したそうです。

市民からの感動の声

これらの心温まるエピソードはSNS上で拡散され、「まだ社会にはこんなに温かい人がいる」「自分ができる範囲で支援し、連帯するその姿が本当に素晴らしい」といった称賛の声が多数寄せられています。中には「5・18光州民主化運動を思い出して涙が出た。タクシー運転手たちは、最も重要な役割を果たしている」と、過去の民主化運動と重ね合わせる声も上がっています。

専門家の見解

韓国の社会運動に詳しい、ソウル大学のキム・ヨンチョル教授(仮名)は、これらのタクシー運転手の行動について、「市民の政治参加を支援する、草の根レベルでの連帯意識の表れと言えるでしょう。経済的な負担を軽減することで、より多くの人々が集会に参加しやすくなる効果も期待できます」と分析しています。

まとめ

今回のタクシー運転手の行動は、韓国社会における連帯意識の高まりを象徴する出来事と言えるでしょう。このような市民一人ひとりの小さな行動が、大きなうねりとなって社会を動かす力となるのかもしれません。