少子高齢化が進む日本では、「下流老人」や「老後破産」といった言葉が現実味を帯びてきています。30代で手取り24万円の清田さん(仮名)のケースを通して、老後資金の不安とその対策について考えてみましょう。
30代、手取り24万円のリアルな生活
都内1Kに住む清田さん。手取り24万円から家賃8万円を引くと、残りは16万円。自炊もせず外食が多い上に、奨学金の返済も重なり、生活は苦しいと言います。エアコンの使用も控えめにするなど、節約を心がけているそうです。
手取り24万円でやりくりする様子のイメージ
厚生労働省『令和5年 賃金構造基本統計調査』によると、30代後半の男性の大卒平均賃金は37万4,800円。高卒と比べると4万円以上の差があり、生涯年収では4,500万円以上の差が開くとされています。高学歴による収入アップは魅力的ですが、奨学金返済の負担も大きいため、将来設計をしっかり行う必要があります。
奨学金返済の現実
奨学金は将来への投資ですが、返済に苦しむ人も少なくありません。延滞すると延滞金が発生し、最悪の場合、勤務先に連絡が行くこともあります。清田さんも奨学金返済に苦しみ、「大学時代に想像していた未来とは違う」と語っています。
金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』によると、30代の借入金の平均額は123万円(借入金のない世帯も含む)。借入金のある世帯に限ると平均629万円、中央値は100万円となっています。
老後破産を防ぐための貯蓄術
清田さんのような状況で、どのように老後資金を貯めれば良いのでしょうか?専門家の意見を参考に、具体的な方法を見ていきましょう。
収入と支出のバランスを見直す
ファイナンシャルプランナーの山田花子さん(仮名)は、「まずは家計簿をつけて、収入と支出を把握することが重要」とアドバイスします。「固定費を見直して、無駄な支出を減らすことから始めましょう。例えば、格安スマホへの乗り換えや保険の見直し、自炊の頻度を増やすなど、できることから取り組んでみてください。」
積立投資で長期的な資産形成を
「若いうちから積立投資を始めると、複利効果で資産を増やすことができます。」と山田さん。少額から始められるつみたてNISAやiDeCoなどを活用し、長期的な視点で資産形成に取り組むことが大切です。
専門家への相談も有効
「自分だけで解決するのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのも良いでしょう。」と山田さんは付け加えます。専門家のアドバイスを受けることで、自分に合った貯蓄方法を見つけることができます。
まとめ:将来のために今から行動を
老後資金の不安は、誰しもが抱えるものです。しかし、今から対策を始めることで、将来への不安を軽減することができます。まずは自分の現状を把握し、自分に合った方法で貯蓄や資産運用に取り組んでみましょう。将来設計をしっかり行い、安心して暮らせる老後を目指しましょう。