仕事を頑張って、自宅でゆっくり休息。その常識、ひっくり返してみませんか? 「休養学」を提唱する医学博士で、日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹氏は、オフが先・オンが後の「オフファースト」で考えることをすすめています。仕事のために休養時間を圧縮しない「オフファースト」の理念を、『休養マネジメント』より一部抜粋・再構成のうえ解説します。
■休養=準備タイムととらえる「オフファースト」
1日の行動を考えるとき、ふつうは朝起きたときをスタートラインと考えます。朝起きて、出勤して、仕事が終わって寝るまでの時間が「残り時間」。オンが先、オフが後という発想です。
これに対して私は、仕事が終わってから、出勤するまで=オフの時間が先にあると考えます。
つまり、1日の仕事が終わった時点を起点として考えることになります。
しっかり休養をとってから仕事をする。
オフのあとにオンがあるのでオフファーストです。
これまでの「疲れたら休む」の順番ではなく、休養を「準備」としてとらえましょう。
一見なじみのない考え方のように思えるかもしれませんが、じつは、普段あなたがやっていることと同じです。
小学校のときは、次の日の持ち物をランドセルに準備してから、寝るようにしていました。明日、忘れ物をせずに学校に行くためです。大事な商談があるときは、時間をかけて資料を作成します。本番でよいプレゼンをするためです。
準備をしてから行動する、ということを、私たちはすでに生活の中でやっています。
オフの時間を準備と考えると、「オフが先、オンが後」になるのはごく自然なことですよね。
■オンよりオフをマネジメントする
そして大切なことは、このオフをマネジメントすることです。
おそらくあなたは、仕事のさまざまなタスクをきちんと把握していると思います。
「明日、何をやらなければいけないか」「来週の会議に必要な作業は何か」などがしっかり頭に入っていて、その日の時間の使い方を考える癖が身についている人も多いことでしょう。
つまり、すでにオンのマネジメントはできているのです。
でも、どうしても予定どおりに終わらないときはあります。急ぎの仕事が入ったり、作業を中断しなければいけないこともあるでしょう。






