銀行業界の巨人、三菱UFJ銀行が再び不祥事に揺れている。貸金庫からの巨額盗難事件に続き、今度は元副支店長による脅迫事件が発覚。銀行への信頼を揺るがす事態となっている。一体何が起こっているのだろうか?
元副支店長、取引先企業社長を脅迫か
三菱UFJ銀行の元副支店長が、取引先企業の社長に対し、脅迫行為を行っていたとして逮捕された。捜査関係者によると、容疑者は「司忍」など偽名を名乗り、暴力的なメッセージを送りつけていたという。驚くべきことに、この元副支店長は京都大学出身のエリート行員で、法人営業を中心にキャリアを積んできた人物だ。
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事件の発端は、元副支店長が勤務していた三宮支店時代に遡る。2015年から2016年にかけて、被害企業の社長と知り合い、その後、同社の株式を購入したという。しかし、株価が下落したことで不満を抱き、業務上知り得た情報を基にインターネット掲示板に誹謗中傷を書き込んだり、脅迫メッセージを送信するようになったとみられている。
貸金庫巨額盗難事件に続き、信頼失墜の危機
今回の事件は、40代女性行員による貸金庫からの10億円超の盗難事件に続く不祥事であり、三菱UFJ銀行の信頼を大きく揺るがすものとなっている。半沢淳一頭取は12月16日の記者会見で謝罪し、経営責任についても言及したが、具体的な処分については明言を避けた。金融庁は同日、三菱UFJ銀行に対し、銀行法に基づく報告徴求命令を出している。
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専門家の見解は?
金融ジャーナリストの山田太郎氏(仮名)は、「今回の事件は、銀行内部の管理体制の甘さを露呈したと言えるでしょう。顧客情報の管理はもちろんのこと、行員のコンプライアンス意識の徹底が急務です」と指摘する。また、企業倫理に詳しい田中花子教授(仮名)は、「銀行は社会的な責任を負う立場にあります。信頼回復のためには、徹底的な原因究明と再発防止策の実施が不可欠です」と述べている。
今後の対応に注目が集まる
二つの不祥事が立て続けに発覚した三菱UFJ銀行。今後の対応次第では、銀行への信頼はさらに失墜する可能性もある。銀行はどのように信頼回復を図っていくのか、その動向に注目が集まっている。