なぜ日本でアメ車は売れない?ドイツ車と異なる「決定的な理由」とは

米国のトランプ大統領が何をどう言おうとも、とにかく日本でアメリカ車は売れていない。JAIA(日本自動車輸入組合)が発表した2025年1~4月の車名別輸入車新規登録台数データによれば、上位10傑はドイツ勢とスウェーデンのボルボ、そして日本メーカーの逆輸入車で占められており、かろうじてジープが12位に入る程度だ。ジープ以外の各アメリカ車ブランドはほぼ全滅といえる状況で、月販10~40台ほどのペースでしか売れていない。なぜ日本では、ドイツ車はバンバン売れるのに、アメリカ車は売れないのか?その理由は「アメリカ車全般の出来が悪いから」というものではなく、さまざまな意味での「ミスマッチ」であると考えられる。

ジープ以外のブランドは苦戦、売れないアメ車の現状

日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した最新の輸入車新規登録データを見ると、その傾向は明らかです。2025年1月から4月までの集計では、上位を占めるのはドイツ勢やボルボ、そして一部の日本メーカーによる逆輸入モデルです。アメリカ車ではジープが唯一上位に食い込む(12位)程度で、シボレーやフォードといった主要ブランドの多くは月間数十台レベルの販売にとどまっています。これは、アメ車全体の品質が劣るというよりは、日本市場の特性とアメリカ車、特に大型モデルとの間に生じる「ミスマッチ」に根本的な原因があると考えられます。

日本市場の環境に合わないとされる大型アメ車(ピックアップトラックやSUV)のイメージ日本市場の環境に合わないとされる大型アメ車(ピックアップトラックやSUV)のイメージ

日本市場とアメ車の「ミスマッチ」とは?魅力はあるのに売れない理由

日本の消費者がわざわざ輸入車を選ぶのは、その国ならではの異文化体験や、日本車にはないデザイン、設計思想に触れたいという欲求があるからです。この点において、アメリカ車、特にフォードF-150やシボレー・シルバラードのようなフルサイズピックアップ、あるいはタホやサバーバンのようなフルサイズSUVは、日本車にはない圧倒的なサイズ感と豪快な魅力を備えています。アメリカ映画に出てくるようなライフスタイルを連想させるこれらのモデルには、「乗ってみたい」と感じる潜在的な魅力は確かに存在します。しかし、全長5.8メートル、全幅2メートルを超えるようなこれらの車両を、日本の一般的な住宅事情や都市部の限られた駐車スペースで日常的に使うことは極めて困難です。気軽に乗れる場所や環境が日本には「ほぼない」と言える状況です。

そのため、並行輸入という形で一部の熱心な愛好家には届けられても、大多数の一般消費者にとっては現実的な選択肢となりにくいのです。アメ車固有の魅力が日本人に響かないのではなく、その魅力を受け止める社会的なインフラや生活環境が日本には不足していることが、販売が伸び悩む決定的な理由と言えるでしょう。

結論として、日本でアメリカ車が売れないのは、単に車の出来が悪いからではなく、アメリカ車が持つ独自の魅力(特に大型モデルの迫力)と、日本の狭い国土やインフラが生み出す生活環境との間に大きなミスマッチがあるためです。魅力は理解されていても、その魅力を行かせる場所や使い方が限られていることが、販売低迷の根本原因となっています。

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