カイロス2号機、打ち上げ成功なるか? 軌道の壁を越えられず…

宇宙への夢を乗せて、民間ロケット「カイロス2号機」が12月18日朝、和歌山県串本町から力強く打ち上げられました。青い空に白い軌跡を描き、成功かと思われた瞬間、上空100キロを超えたところで、ミッションは中断。一体何が起きたのでしょうか?その背景と、町の人々の期待と不安に迫ります。

打ち上げ延期、そして歓喜の瞬間…そして

12月18日、絶好のロケット日和となった串本町。海水浴場には、民間初の人工衛星軌道投入を目指す「カイロス2号機」の打ち上げを見守る多くの人々が集まりました。大阪から3度目の挑戦で訪れた人、ロケット観覧を長年の夢としていた人…様々な思いが、カイロス2号機に託されていました。

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初号機の失敗、そして2号機への期待

今年3月、カイロス初号機は打ち上げ直後に爆発という衝撃的な結果に終わりました。その悔しさを胸に、開発チームは改良を重ね、9ヶ月後、満を持して2号機の打ち上げに挑みました。

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12月14日に予定されていた打ち上げは、強風のため二度にわたり延期。待ちわびる人々の期待と不安は高まるばかりでした。地元のビーチハウスでは、打ち上げに合わせて橋杭岩周辺のロケット見学ツアーを企画。3月の初号機打ち上げ時から参加を希望していた人々も多く、期待の大きさが伺えます。宇宙工学専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「度重なる延期は、機体への影響も懸念される」とコメント。

打ち上げは観光に追い風となるか?

打ち上げ延期は、地元経済にも影響を与えました。串本町のホテルは、打ち上げ前日の17日は平日にも関わらず満室。前年同時期と比較しても稼働率は大幅に上昇しました。ホテル支配人は、「打ち上げ効果は大きいものの、素直に喜べない複雑な気持ち」と語っています。観光客誘致と宇宙開発、その両立が課題となっています。

カイロス2号機、今後の展望は?

今回の打ち上げは、目標の軌道投入には至りませんでしたが、貴重なデータ取得の機会となりました。開発チームは、今回の結果を分析し、更なる改良を進めていく方針です。宇宙開発の道のりは険しいですが、民間ロケット開発の挑戦は続きます。日本発の宇宙ビジネスの未来に、期待が寄せられています。

最後に、地元の子供たちは「次は成功してほしい!」と力強いエールを送っていました。カイロスの挑戦は、未来への希望を繋ぎます。