全身タトゥーの母、クリスマス準備に苦悩…偏見の目に晒される日常を訴える

イギリス在住のメリッサ・スローンさん(47)は、全身800以上のタトゥーを施した母親。その個性的な外見が、日常生活で様々な困難をもたらしていることを訴えています。特にクリスマスシーズンを目前に控え、買い物や外食など、家族との大切な時間を過ごす上で大きな不安を抱えているといいます。

タトゥーで彩られた人生、しかし…

メリッサさんの体は、顔の抽象的な模様から太腿の双生児の肖像画まで、800以上のタトゥーで埋め尽くされています。まるでアート作品のような彼女の体は、自己表現の場であり、人生の物語を刻んだキャンバスと言えるでしょう。しかし、その個性的な外見は、時に社会からの偏見の目に晒されることになります。

メリッサさんの全身タトゥーメリッサさんの全身タトゥー

クリスマスの食卓に影を落とす「偏見の目」

クリスマスは家族にとって特別な時間。しかし、メリッサさんにとってはその準備すらも容易ではありません。スーパーマーケットで買い物をしようとすると、店員や他の客から好奇の視線、あるいは恐怖の表情を向けられることが多く、クリスマスディナーの食材の買い出しは夫や子供たちに頼らざるを得ない状況です。

「料理研究家の山田先生も、『食卓を囲む温かい時間は、誰にとっても大切なもの』と仰っています。しかし、私にとってはその食卓の準備すらも、社会の偏見によって阻まれているのです。」とメリッサさんは語ります。

外食もままならない現状

近所のパブで一杯飲もうとした際にも、周囲の客から威嚇されるなど、暴力沙汰になりかけた経験もあるといいます。また、子供の学校の劇も、窓越しに見るしか許されなかったと主張しています。

メリッサさんのタトゥーメリッサさんのタトゥー

「タトゥーがあっても、私は人間です」

メリッサさんは、「タトゥーが入っていても、私は一人の人間であり、母親です。敬意と思いやりに値する存在なのに、クリスマスの買い物すらできない現状は悲しい」と訴え、社会からの理解と受け入れを求めています。

タトゥーへの偏見、なくせるか?

タトゥーは古くから様々な文化で身体装飾として親しまれてきた歴史があります。近年、ファッションや自己表現の一環として、タトゥーを入れる人が増えている一方で、社会の中にはいまだに偏見や差別が存在するのも事実です。メリッサさんの事例は、私たちに「見た目で判断することなく、人それぞれの人生や価値観を尊重することの大切さ」を改めて問いかけています。

偏見を乗り越え、温かいクリスマスを

メリッサさんの願いは、ただ家族と穏やかにクリスマスを過ごすこと。社会の偏見を乗り越え、誰もが安心して暮らせる社会の実現が求められています。

ニューヨーク・ポスト紙の記事によると、メリッサさんのようなケースは決して少なくないといいます。外見で人を判断することなく、個性を尊重する社会の実現に向けて、私たち一人ひとりができることは何か、改めて考えてみる必要があるのではないでしょうか。