日本の新年の風物詩、年賀状。しかし、近年その存在感が薄れてきていることは否めません。日本郵便によると、2025年元旦に配達された年賀状は4億9100万通。前年の7億4300万通と比較すると、34%もの減少となりました。はがきの値上げやメール、SNSの普及など、様々な要因が「年賀状じまい」を加速させているようです。
年賀状離れの現状
2024年10月には年賀はがきの価格が63円から85円に値上げされました。この値上げも年賀状離れに拍車をかけている一因と言えるでしょう。 さらに、メールやSNSの普及により、手軽に新年の挨拶を済ませることができるようになったことも大きな変化です。実際、今年の年賀はがきの発行枚数は前年の25%減の10億7000万枚。なんと14年連続の減少となっています。
年賀状の束
SNS時代の新年の挨拶
X(旧Twitter)などのSNSでは、年賀状に関する様々な意見が飛び交っています。「今年は年賀状じまいの年賀状が多かった」「もはや年賀状離れすら話題にならない」「形骸化した慣習が消滅するのは良いこと」といった肯定的な意見がある一方で、「年賀状じまいの文面を見ると少し寂しい」「届くと嬉しいもの」「来年は自分も年賀状をやめるべきか」など、複雑な心境を吐露する声も少なくありません。 デジタル化が進む現代において、新年の挨拶の形も変化を遂げていることが分かります。
時代の変化と年賀状の未来
年賀状は単なる新年の挨拶だけでなく、近況報告や日ごろの感謝を伝える大切な手段でもありました。手書きの文字やイラストには、デジタルでは表現できない温かみがあります。 一方で、近年は環境問題への意識の高まりから、紙の使用を減らそうという動きも出てきています。 料理研究家の山田花子さん(仮名)は、「年賀状の文化は大切にしたい一方で、環境への負荷も考慮すべき時代。デジタルとアナログのバランスをどう取っていくかが課題ですね」と語っています。
年賀状文化の継承と新たな形
年賀状の枚数は減少しているとはいえ、その文化が完全に消えることはないでしょう。 例えば、大切な人への特別な贈り物として、手作りの年賀状を送るという選択も考えられます。 また、デジタル技術を活用し、動画や音声メッセージを添えた年賀状を送るなど、新たな形も生まれています。 今後も時代の変化に合わせて、年賀状文化は進化していくのではないでしょうか。
年賀状を書いている様子
新年の繋がりを大切に
年賀状を送るか送らないかは個人の自由です。 大切なのは、新年の始まりに、周りの人との繋がりを改めて意識することではないでしょうか。 どのような形であれ、感謝の気持ちや相手を思う気持ちを伝えることが大切です。