タイムスリップを描いたTVドラマ、最高傑作は? (1)コロナ禍で人気再燃…圧倒的な面白さに痺れる


『JIN~仁~』(2009~2020、TBS系)

【作品内容】

 東都大学付属病院の脳外科医、南方仁は、ある日、急患で運ばれてきた身元不明の男を手術する。手術は無事に終わったが、その患者は目を覚ますや否や逃亡。なんとか彼を捕まえた仁は、そのまま階段から落ちて気絶してしまう。

 その後、人が目を覚ますと、そこは林の中だった。仁があてどもなく歩き回っていると、なんとちょんまげ姿の武士が斬り合いをしている。彼は、気絶した衝撃で江戸時代にタイムスリップしてしまったのだ…。

【注目ポイント】

 坂本龍馬に徳川慶喜、そして西郷隆盛…。数々の偉人たちがきら星のごとく登場する幕末は、いつの時代も圧倒的な人気を誇っている。ましてや、ここに「医療もの」というエッセンスが加わると、その魅力は何倍にも膨れ上がる。この『JIN-仁-』のように。

 本作は村上もとかによる同名漫画を実写化した作品。脚本は『おんな城主 直虎』(2015)の森下佳子で、主人公の南方仁を大沢たかおが演じている。

『半沢直樹』(2013~2020)や『下町ロケット』(2015~2018)など、数々の名作ドラマを生み出してきたTBS系列の「日曜劇場」枠。そんな本枠でも、指折りの名作がこの『JIN-仁-』だ。現に、放映時は、国内外のドラマ賞で33冠を受賞。2020年には、「ステイホーム期間にみんながハマったドラマランキング」で1位を獲得するなど、20年近くを経た今でも愛され続けている。

『JIN-仁-』の魅力。それは、なんといっても主人公である仁のキャラクターにある。幕末の動乱の中で、病に苦しむ先人たちをなんとしても直したい…。そんなアツいキャラクターが、野性味あふれる大沢たかおの演技と見事にシンクロしているのだ。そして、物語に散りばめられたアツい名言の数々も、そんな仁のキャラクターを引き立てている。

 なお、2012年には、韓国で『Dr.JIN』というタイトルでリメイクされている。舞台となるのは、幕末の日本ではなく、哲宗治世下の李氏朝鮮だ。気になった方はこちらもぜひチェックしてもらいたい。

(文・編集部)

編集部



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