中国若年層の失業率、再び悪化の兆し:景気低迷の影響深刻化

中国経済の減速が深刻化する中、若年層の失業問題が再び浮上しています。国家統計局が発表した2024年12月の16~24歳の都市部失業率は15.7%と、前年同月比で0.8ポイント上昇しました。統計基準の変更後、前年同月比での悪化が確認されたのは初めてのことです。

景気低迷が雇用市場を直撃

中国経済の成長鈍化は、企業の採用活動に大きな影響を与えています。特に、経験の浅い若年層は真っ先に影響を受け、就職活動が難航している現状が浮き彫りになっています。多くの企業が新規採用を抑制し、既存社員の維持に注力する傾向が強まっているためです。

中国・湖北省武漢の街を歩く人々中国・湖北省武漢の街を歩く人々

SNSでは悲痛な声が多数

中国のSNS上では、「仕事が見つからない」「失業した」といった若者たちの悲痛な声が後を絶ちません。厳しい現実を突きつけられた若者たちは、将来への不安を抱えながら、出口の見えない状況に苦しんでいます。中には、フリーランスやギグワークで生計を立てようとする若者も増えていますが、安定した収入を得ることは容易ではありません。

統計基準の変更とデータの透明性

2023年6月に過去最悪の21.3%を記録した若年層失業率は、その後5ヶ月にわたり公表が見送られました。12月に再開されたものの、求職中の学生が統計から除外されるなど基準が変更され、以前のデータとの比較が困難になっています。この基準変更については、データの透明性を疑問視する声も上がっています。例えば、経済アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「基準変更により実態が隠蔽されている可能性がある。より正確な状況把握のためには、透明性の高いデータ公開が不可欠だ」と指摘しています。

政府の対応と今後の課題

中国政府は、若年層の雇用支援策を強化する方針を打ち出しています。職業訓練プログラムの拡充や起業支援などが進められていますが、効果は限定的です。根本的な解決には、景気回復と雇用創出が不可欠です。

中国経済の将来を担う若年層の失業問題は、社会全体の不安定化につながるリスクも孕んでいます。政府は、より効果的な対策を講じる必要に迫られています。

若者たちの未来のために

中国の若年層が直面する雇用問題は、決して他人事ではありません。世界的な経済の不確実性が高まる中、同様の課題に直面する国は少なくありません。若者たちが希望を持って未来を描ける社会の実現に向けて、私たち一人ひとりができることを考えていく必要があるでしょう。