【北京=吉永亜希子】東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出を巡り、中国共産党機関紙傘下の環球時報(電子版)は22日、中国の専門家が昨年10月に採取した海水サンプルの分析を行った結果、放射性物質の濃度に異常は認められなかったと報じた。具体的なデータは、国際原子力機関(IAEA)が総括した後に公表するという。
同紙は「海洋放出が周辺海域や海洋生物に影響を与える兆候はない」とする専門家の話を伝えた。一度の検査では限界があるとし、引き続き「国際的で長期的な観測が必要」とした。
中国政府は2023年8月の海洋放出を受け、日本産水産物を全面禁輸としたが、モニタリング(監視)を拡充した上で、段階的に輸入を再開することで日本側と合意している。