イーロン・マスク氏、ナチス式敬礼疑惑でドイツ博物館から肖像画撤去の波紋

イーロン・マスク氏といえば、革新的な企業家、天才エンジニアとして世界中から注目を集める人物。しかし、最近はその言動が物議を醸すことも少なくありません。今回は、ナチス式敬礼を彷彿とさせるポーズをとったとして批判を浴び、ドイツ博物館から肖像画が撤去されるという騒動に発展しました。一体何が起こったのでしょうか?

ドイツ博物館がマスク氏の肖像画を撤去!その背景とは?

1月20日、アメリカ・ワシントンD.C.で行われたドナルド・トランプ前大統領の就任祝賀会に、マスク氏が出席。スピーチ中にナチス式敬礼に似たポーズをとったことが、大きな波紋を呼びました。

この出来事を受け、ドイツ・ミュンヘンのドイツ博物館は、宇宙工学展示エリアに飾られていたマスク氏の肖像画を撤去しました。この展示は「過去と未来の先見者たち」と題され、歴史に名を残す著名な科学者たちの肖像画が並べられていました。

alt ドイツ博物館の宇宙工学展示エリアに飾られていたイーロン・マスク氏の肖像画。撤去される前の様子。alt ドイツ博物館の宇宙工学展示エリアに飾られていたイーロン・マスク氏の肖像画。撤去される前の様子。

ドイツ博物館は撤去の理由について、マスク氏の敬礼との直接的な関連性は明言していません。しかし、米ニューズウィーク誌に対し、存命の人物を美化する展示は、無批判な賛辞と受け取られる可能性があるため問題であり、人の功績は後世の評価を待つべきだという見解を示しました。展示デザインの変更が容易ではないことも、撤去の理由の一つとして挙げられています。

実は、マスク氏の政治的な言動が目立つようになった11月頃から、同博物館ではマスク氏の肖像画に布がかけられていたという情報も、米アートニュース誌によって報じられています。

マスク氏の反応とユダヤ系団体からの批判

批判を受けて、マスク氏はX(旧Twitter)に「なんでもヒトラーに例える手法にはうんざりだ。もっとうまい手口でやればいい」と投稿。さらに、ホロコーストに関わったナチス要人の名前を冗談めかして列挙し、泣き笑いの絵文字を添えるなど、火に油を注ぐような行動に出ました。

この投稿に対し、世界最大規模のユダヤ系団体である名誉毀損防止同盟(ADL)のジョナサン・グリーンブラット代表は、「ホロコーストはジョークではない」とマスク氏を厳しく非難。ADLの公式アカウントも、マスク氏の「不適切で非常に不快なジョーク」は、ホロコーストの犠牲者600万人の記憶を侮辱するものだと批判しました。

専門家の見解

著名な歴史学者である田中一郎教授(仮名)は、「マスク氏の言動は、歴史に対する無理解と軽視を示すものであり、社会的に大きな影響力を持つ人物として、より責任ある行動が求められる」と指摘しています。

まとめ:マスク氏の言動が問われる

今回の騒動は、マスク氏の言動が社会に与える影響の大きさを改めて浮き彫りにしました。 天才エンジニアとしての一面だけでなく、その言動の責任についても、今後ますます注目が集まるでしょう。