藤井聡太王将が王将戦4連覇に大きく前進しました。第74期ALSOK杯王将戦7番勝負第3局で、挑戦者の永瀬拓矢九段を相手に劇的な逆転勝利を収め、シリーズ3連勝を達成。盤上での熱き戦いと、今後の展望について詳しく解説します。
王将戦第3局、藤井聡太王将が逆転勝利!
2025年2月6日、東京都立川市の「オーベルジュ ときと」にて行われた第74期ALSOK杯王将戦7番勝負第3局。藤井聡太王将と永瀬拓矢九段の対局は、終盤まで予断を許さない白熱した展開となりました。
序盤、永瀬九段が積極的に攻め込み、藤井王将を追い詰める場面もありました。しかし、藤井王将は冷静に状況を判断し、着実に反撃の糸口を探りました。
藤井聡太王将と永瀬拓矢九段の対局の様子
そして終盤、藤井王将の鋭い攻めが炸裂。永瀬九段のわずかな隙を突き、見事な逆転勝利を収めました。この勝利により、藤井王将は王将戦4連覇に王手をかけました。
藤井王将の強さの秘訣とは?加藤一二三九段が分析
将棋界のレジェンド、加藤一二三九段は、藤井王将の強さの秘訣を「相手の不備を突くこと」と分析しています。今回の対局でも、永瀬九段の歩切れを見逃さず、的確な攻めを繰り広げました。
加藤九段はさらに、「藤井王将は、厳しい指し手が目立つ。王将戦4連覇はかなり濃厚でしょう」とコメント。その言葉からも、藤井王将の圧倒的な強さが伺えます。
封じ手の妙技と辛抱強い指し回し
特に注目すべきは、藤井王将の封じ手。飛車を8筋の最下段に引くという意外な一手は、多くの解説者も驚かせました。加藤九段は、この封じ手を「落ち着いて、腰を据えて、じっくり指しましょう」という施政方針のようだと表現。
実際、この一手によって先手の攻めを鈍らせ、じっくりと形勢を立て直すことに成功しました。桂馬を失っても、歩を打って相手の飛車を追いやるなど、辛抱強く指し続ける姿勢が勝利につながったと言えるでしょう。
永瀬九段の巻き返しなるか?今後の展望
一方、永瀬九段も決して諦めていません。「1日10時間研究する」と言われるほどの努力家で、新たな研究手順で藤井王将に挑む可能性も十分にあります。
対局後の藤井聡太王将
第4局は、2月15日、16日に大阪府高槻市の「摂津峡花の里温泉 山水館」で行われます。藤井王将の4連覇か、永瀬九段の巻き返しなるか、今後の展開から目が離せません。