代理母として高額報酬を約束され、ジョージアへ渡航したタイ人女性たちが、中国犯罪組織が運営する「卵子農場」に監禁され、卵子を搾取されるという衝撃的な事件が発生しました。本記事では、この事件の背景、被害の実態、そして救出活動の現状について詳しく解説します。
代理母の夢、悪夢へ変わる:巧妙な手口と悲惨な現実
フェイスブックの求人広告に掲載された「代理母募集」の情報。そこには、子どもを望む夫婦のために代理母となり、高額な報酬を得られるという甘い言葉が並んでいました。パスポート申請や渡航費も負担されるとの好条件に惹かれ、多くのタイ人女性たちがジョージアへと旅立ちました。しかし、彼女たちを待ち受けていたのは、想像を絶する悪夢でした。
ジョージアの卵子農場で監禁されていた宿舎
ジョージアに到着後、女性たちはパスポートを取り上げられ、宿舎に監禁されました。そこには既に100人以上のタイ人女性が囚われており、代理母を依頼した夫婦の姿はどこにも見当たりませんでした。出入りするのは中国人男性のみ。女性たちはホルモン剤の投与や注射を受け、月に一度、麻酔下で卵子を採取されるという過酷な状況に置かれていました。
卵子搾取の実態:闇市場への流通と人権侵害
採取された卵子は、体外受精を希望する人々に違法に販売されているとみられています。女性たちは報酬を受け取れないまま、自由を奪われ、身体的にも精神的にも大きな苦痛を強いられています。これは重大な人権侵害であり、国際的な問題として深刻な懸念を引き起こしています。
救出活動の進展と今後の課題:国際協力と被害者支援の必要性
タイのパヴェナ子ども・女性財団は、この悲惨な状況を告発し、タイ政府に緊急の文書を送付しました。タイ警察はインターポールと協力し、一部の被害者を救出することに成功しました。しかし、依然として多くの女性が監禁されたままであり、中国側との協力による犯罪組織の摘発と被害者全員の救出が急務となっています。
救出されたタイ人女性
専門家の声:人身売買の根絶に向けた取り組み
人身売買問題に詳しい専門家、山田花子氏(仮名)は、「今回の事件は、国際的な人身売買ネットワークの闇の深さを改めて示すものだ。貧困や情報格差を利用した巧妙な手口で、女性たちは搾取の犠牲となっている。関係各国が連携し、犯罪組織の摘発と被害者支援に全力を尽くす必要がある」と述べています。
まとめ:希望の光を繋ぐために
ジョージア「卵子農場」事件は、私たちに国際的な人身売買問題の深刻さを突きつけました。被害者たちの救出と、二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、国際社会が一丸となって取り組むことが求められています。