皇室の方々の華やかな装い。その中には、代々受け継がれてきたドレスや着物、宝飾品が数多く存在することをご存知でしょうか?この記事では、受け継がれる装いを通して、皇室の伝統と家族の絆、そして現代的なサステナビリティへの意識を探ります。
母から娘へ、祖母から孫へ:受け継がれる想いの詰まったドレス
2023年の歌会始の儀で、愛子さまがお召しになった淡いクリーム色のローブモンタント。雅子さまが皇太子妃時代に着用されていたドレスとよく似ており、SNS上でも話題となりました。 皇室では、ローブモンタントやローブデコルテといった正装は着用機会が限られるため、大切に保管され、世代を超えて受け継がれることが多いようです。
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皇室ファッションに詳しいA氏によると、「こうしたドレスは高価で仕立ての良いものが多く、次の世代に受け継ぐことで資源の有効活用にも繋がっている」とのこと。まさにサステナブルな取り組みと言えるでしょう。
三笠宮妃百合子さまのドレス:時代を超えて輝く美しさ
高円宮家の承子さまは、2023年6月のヨルダンの皇太子結婚式で、祖母である三笠宮妃百合子さまが1988年に着用されたグリーンのドレスをお召しになりました。35年の時を経て受け継がれたドレスは、裾丈を調整し、現代的なアクセサリーと合わせることで、承子さまのスタイリッシュな魅力を引き立てていました。
「承子さまの着こなしは、伝統を尊重しつつも、現代的な感性を取り入れる皇室ファッションの新しい形を示している」とファッション評論家のB氏は評価しています。
守谷絢子さんも受け継ぐ:鮮やかな緑のローブモンタント
高円宮家の三女、守谷絢子さんもまた、百合子さまのドレスを受け継いでいます。2019年の饗宴の儀では、鮮やかな緑のローブモンタントで出席され、その華やかな姿が印象的でした。
宝飾品にも受け継がれる歴史:ティアラと首飾り
ティアラもまた、代々受け継がれる宝飾品です。近衞甯子さんのティアラは、久子さまが2015年のスウェーデン王子の結婚式で使用されました。絢子さんの結婚を祝う晩餐会では、久子さまの首飾りをティアラとして着用するなど、母娘の絆を感じさせるエピソードも。
香淳皇后から雅子さまへ:伝統の帯
和装にも受け継がれるものがあります。雅子さまが納采の儀で着用された帯は、香淳皇后から上皇后美智子さま、そして雅子さまへと受け継がれた由緒あるものです。
希少なべっ甲の帯留め:受け継がれる伝統工芸
彬子さまが園遊会で着用されていたべっ甲の帯留めも、受け継がれた可能性が高いと言われています。ワシントン条約によりタイマイの取引が禁止されている現在、べっ甲は大変貴重な素材です。「染の聚楽」代表の高橋泰三氏も、その精巧な細工に感嘆の声を上げています。
皇室の装いは、単なるファッションではなく、歴史と伝統、そして家族の愛情が込められたものです。受け継がれることで、その価値はさらに高まり、未来へと繋がっていくのでしょう。