高級時計、特にロレックスは、そのステータス性と資産価値から、近年ますます人気が高まっています。しかし、その人気は影の部分も生み出してきました。巧妙化する盗難事件の増加により、時計店はかつてないほどの不安に直面しています。この記事では、高級時計を狙う闇の実態と、その影響について詳しく解説します。
白昼堂々、大胆不敵な犯行の数々
2020年以降、金や高級時計への投資熱が高まり、価格が高騰しました。それに伴い、時計店を狙った犯罪も増加し、その手口は驚くほど大胆になっています。銀座の時計店への覆面強盗事件や、百貨店での純金茶碗の盗難事件は記憶に新しいところです。
銀座の時計店に押し入った覆面姿の男たち
さらに、巧妙なすり替えの手口も出現しています。店員の目を盗んで、本物のロレックスを偽物とすり替えるという、まるで手品師のような技を使う犯行も報告されています。
強盗やすり替えのターゲットとなりやすいロレックス
これらの事件は、時計業界に大きな衝撃を与え、店側も対応に追われています。
時計店を襲う不安と重圧
盗難事件の多発を受け、多くの時計店はセキュリティ強化を余儀なくされています。入口に柵を設置したり、店員が常に監視の目を光らせるなど、厳戒態勢を敷いている店も少なくありません。
中野のある時計店では、現在も入口に柵が設置されており、簡単に出入りできないようになっています。こうした対策は、時計店が抱える不安の深刻さを物語っています。
高級時計専門店に勤務するX氏(仮名)は、「ここ数年で、時計店は本当に負担が多い仕事になってしまいました」と語ります。闇バイトで集められた“無敵の人”による大胆不敵な犯行は、時計店の店員に大きな精神的負担を与えています。
高級時計を扱う店舗の厳重なセキュリティ
「お客様を外見で判断するのは良くないことだと分かっているのですが、マスクにサングラスの客を見ると身構えてしまいます」とX氏は告白します。コロナ以降、マスク着用が当たり前になったことで、犯人の特定がさらに難しくなり、店員の不安は増すばかりです。
高級時計を取り巻く未来
高級時計の人気は今後も続くと予想されますが、同時に犯罪の標的となるリスクも高まるでしょう。時計業界全体で、セキュリティ対策の強化や、警察との連携など、より効果的な対策が求められています。
時計愛好家にとっても、安心して時計を購入し、楽しめる環境が維持されることが重要です。時計業界と社会全体が協力し、高級時計を取り巻く安全を守っていく必要があると言えるでしょう。