医療・介護現場の崩壊を防ぐため、日本医療労働組合連合会(医労連)は3月13日に全国統一ストライキを実施することを決定しました。看護師や介護士など、ケア労働者の低賃金が深刻な離職問題を引き起こし、医療サービスの質低下に繋がっている現状に迫ります。
看護師不足の実態と医療崩壊の懸念
医労連が実施した看護職員の入退職に関する実態調査によると、調査対象となった医療機関の約7割が看護師不足に悩まされています。半数以上の医療機関は、この人員不足が患者サービスの低下に直結すると回答。深刻な人手不足は病棟閉鎖や病棟数の削減に繋がり、地域住民が必要な医療を受けられない事態、すなわち医療崩壊に繋がる恐れがあると医労連委員長は警鐘を鳴らしています。
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ケア労働者の低賃金:離職の大きな要因
離職の大きな要因として挙げられるのが、ケア労働者の低賃金問題です。医労連の調査によると、昨年の年末一時金は前年実績から約6,000円減少し、全国平均を大きく下回る結果となりました。これは、日本労働組合総連合会(連合)の平均額と比較しても、その差は歴然です。賃上げに関しても、医療福祉分野は全産業平均の半分程度にとどまっており、厳しい状況が続いています。
ストライキ決行の背景と今後の展望
こうした状況を受け、医労連は約16万人の組合員を擁し、全国3000カ所以上の病院・診療所等に呼びかけ、ストライキを決行するに至りました。ケア労働者の待遇改善、ひいては日本の医療・介護体制の維持・向上に向けて、今後の動向が注目されます。厚生労働省の担当者(仮名:山田一郎氏)は、「医療現場の声に真摯に耳を傾け、持続可能な医療体制の構築に向けて取り組む必要がある」とコメントしています。「医療経営ハンドブック」(ダイヤモンド社)などの専門書籍でも、人材確保の重要性が繰り返し強調されており、医療現場の危機的状況への対策が急務となっています。
ストライキの詳細と今後の課題
3月13日に実施されるストライキは、医療・介護現場の窮状を訴え、待遇改善を求めるためのものです。 今後の交渉において、関係各所がどのように対応していくのか、注目が集まります。 医療ジャーナリストの佐藤美香氏(仮名)は、「今回のストライキは、医療現場の疲弊を象徴する出来事。根本的な解決のためには、政府、医療機関、そして私たち国民一人ひとりが問題意識を持つことが重要」と指摘しています。
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医療・介護は国民生活に不可欠なサービスです。ストライキを通して、ケア労働者の置かれた厳しい現状への理解が深まり、より良い未来へと繋がることを期待します。