フジテレビ、窮地の行方:日枝久氏の進退と第三者委員会の調査結果

フジテレビを揺るがす一連の騒動、元タレント中居正広氏と女性間のトラブルに端を発した混乱から2ヶ月が経過しました。スポンサーの離脱は80社近くに上り、視聴率も低迷を続けています。窮地に立たされたフジテレビ、そして日枝久氏の未来はどうなるのでしょうか? 本稿では、第三者委員会の調査結果と日枝氏の進退を中心に、今後の行方を探ります。

混乱の余波:低迷する視聴率とスポンサーの離脱

一連の騒動の影響は深刻です。80社近いスポンサーが離脱し、視聴率も下降線を辿っています。「セクシー田中さん」問題で日本テレビが受けたダメージのように、大きな不祥事は視聴率に直結する傾向があります。1月第3週、港浩一前社長による記者会見後の全日帯個人視聴率は2.3%、在京キー局でテレビ東京を除き最下位。続く第4週も2.2%と低迷が続いています。わずかな差に見えても、週単位の数字であることを考えると、その影響は決して小さくありません。

altalt(フジテレビ取締役相談役・日枝久氏)

ダルトン・インベストメンツとの対立:日枝氏の反撃

混乱の最中、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の株を8%以上保有する米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」は、日枝久氏に辞任を求める書簡を送付しました。しかし、日枝氏はこれを拒否する構えを見せています。過去に鹿内宏明氏を追い出し、ライブドアの堀江貴文氏との経営権争いを制した日枝氏にとって、闘争はサラリーマン人生の一部と言えるでしょう。今回もダルトンと戦う姿勢を見せているようです。

勝負の鍵を握る第三者委員会:日枝氏の運命を左右する調査結果

日枝氏にとって、ダルトン以上に重要なのは第三者委員会の調査結果です。3月末までに発表される予定のこの報告書は、日枝氏の進退を大きく左右するでしょう。日枝氏自身は自身とトラブルの無関係性を確信しているようですが、36年間社長を務め、フジテレビの企業風土を築き上げてきた日枝氏に全く責任がないとは考えにくいでしょう。関係者によると、驚くほど厳格に進められているという調査。委員長を務める竹内朗弁護士は、過去に東京女子医大の不正事件などを調査した経験を持ち、第三者委員会報告書の評価を行う委員会の事務局長も務めています。

altalt(2005年、ライブドア堀江氏との会見に臨む当時の日枝氏)

中間報告に注目:今後の展開を占う重要な指標

2月末もしくは3月上旬に中間報告が発表されるとの情報もあり、その内容に注目が集まっています。もし中間報告、そして最終報告で日枝氏に責任があると判断された場合、日枝氏は辞任を余儀なくされるでしょう。辞任を拒否して6月の株主総会に臨めば、大混乱は避けられません。日枝氏自身もそれを望んではいないはずです。

社外取締役の動向:株主総会前の重要な局面

株主総会前には、FMHの7人の社外取締役がキーパーソンとなります。第三者委員会が日枝氏に責任があると結論づけた場合、社外取締役は即座に辞任を求めるでしょう。

フジテレビの未来は、第三者委員会の調査結果と日枝氏の判断にかかっています。今後の展開から目が離せません。