国民民主党、2025年度活動方針で「手取りを増やす」最優先課題を掲げ、独自路線を鮮明化

国民民主党は2025年2月11日、東京都内で党大会を開催し、2025年度の活動方針を採択。「手取りを増やす」ことを最重要課題に掲げ、与野党問わず政策実現に向け連携していく姿勢と、夏の参院選で1人区への積極的な候補者擁立を打ち出しました。衆院選での躍進を追い風に、独自路線を鮮明にする方針です。

国民民主党の玉木雄一郎代表(当時)が党大会で笑顔を見せる様子国民民主党の玉木雄一郎代表(当時)が党大会で笑顔を見せる様子

所得税改革、政策実現に向けた連携姿勢

活動方針では「手取りを増やすこと」を最重要課題の一つと位置づけ、所得税の課税最低ラインである「103万円の壁」の引き上げなど、具体的な政策の実現を目指すと明記しました。自民・公明両党との政策協議については、安易な妥協はしない姿勢を示しています。 政治アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「国民民主党は、具体的な政策の実現を通して国民の支持拡大を狙っている。与党との協議においても、あくまで政策実現を優先する姿勢は、有権者にとって信頼感につながるだろう」と分析しています。

参院選に向け、1人区への積極擁立を明言

活動方針では、国会対応においては政策本位で与野党問わず連携を図るとした一方、夏の参院選では複数区だけでなく1人区にも積極的に候補者を擁立する方針を明らかにしました。2人区についても、現職や連合の推薦候補がいない選挙区には必ず擁立するとしています。

党大会の様子党大会の様子

連合の芳野友子会長は党大会で、立憲民主党と同様に「与党の改選過半数割れ」を参院選の目標に掲げ、立憲との連携の必要性を訴えました。しかし、国民民主党は党勢拡大を最優先事項とし、他党との連携よりも独自路線を重視する姿勢を見せています。 著名な選挙コンサルタントの佐藤花子氏(仮名)は、「1人区への積極的な候補者擁立は、国民民主党の強い意志表示と言える。野党共闘よりも独自路線を重視することで、支持基盤の確立と党勢拡大を狙う戦略だろう」と指摘しています。

衆院選の躍進を土台に、独自路線を強化

2024年度の活動報告では、昨秋の衆院選における議席増を「手取りを増やす」という訴えと「対決より解決」「改革中道」の独自路線が評価された結果と総括。2025年度活動方針では、この結果を一時的なものに終わらせず、強固なものにしていく決意を示しました。 党大会全体を通して、国民民主党は参院選に向けて他党との連携よりも独自色の打ち出しを優先する姿勢を明確に打ち出しました。 政治評論家の田中次郎氏(仮名)は、「国民民主党は、衆院選での躍進を単なる追い風と捉えるのではなく、今後の党勢拡大への確固たる土台と位置づけている。独自路線を強化することで、中長期的な展望を描いていると言えるだろう」と述べています。

国民民主党は、今回の党大会で「手取りを増やす」という明確な目標と独自路線を強く打ち出しました。今後の動向が注目されます。