結婚は本当に幸せへの近道?未婚・既婚、子どもの有無と幸福度の意外な関係

結婚は幸せの象徴とされがちですが、本当にそうでしょうか?未婚と既婚、子どもの有無と幸福度の関係性について、専門家の意見を交えながら深く掘り下げてみましょう。意外な事実が明らかになるかもしれません。

既婚者の方が幸福度が高い?データが示す意外な真実

様々な調査データによると、どの年代においても既婚者の方が未婚者よりも幸福度が高い傾向が見られます。中でも既婚女性/男性の幸福度が最も高く、次いで未婚女性、そして最も低いのが未婚男性という結果が出ています。

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青山学院大学の亀坂安紀子教授は、この格差について「日本社会は結婚という形式に重きを置いており、特に男性は高学歴・正規雇用という条件を満たさないと結婚しづらい現状がある。また、家事分担の偏りも既婚男性の幸福度を高める要因の一つと考えられる」と指摘しています。

未婚男性の幸福度が50代で急落する理由

未婚男性の幸福度は50代で顕著に低下しますが、その背景には老後の不安が大きく関わっていると考えられます。亀坂教授は「50代になると自分の子どもを持つ可能性が低くなり、老後にパートナーや子どものサポートを受けられないという不安が幸福度を低下させている」と分析しています。

子どもの有無と既婚女性の幸福度の関係

一般的に子どもを持つことは幸せの象徴と捉えられがちですが、データを見ると、既婚女性の中で最も生活満足度が高いのは子どものいない女性です。そして、子どもの数が多いほど生活満足度は低下する傾向にあります。

これは子どもを持つこと自体が不幸なのではなく、出産・育児における肉体的・精神的負担が女性に偏っていること、教育費の負担などが幸福度低下の要因となっていると拓殖大学の佐藤一磨教授は指摘しています。

さらに、近年では子どものいる既婚女性の幸福度は変化がない一方で、子どものいない既婚女性の幸福度は上昇しています。これは「結婚したら子どもを持つべき」という従来の社会通念が変化してきたことの表れと言えるでしょう。

現代社会における幸福の定義とは

結婚や子どもを持つことが必ずしも幸福に直結するわけではないという現状を踏まえ、私たちは改めて幸福の定義について考え直す必要があるかもしれません。それぞれのライフスタイルや価値観を尊重し、多様な幸せの形を受け入れる社会の実現が求められています。